台湾外交部などは、米国務省のクラック次官が17日から19日の日程で台湾を訪問すると発表した。19日には、7月に亡くなった李登輝元総統の告別式典にも参列する。トランプ政権としては米政府高官の派遣を重ね、台湾への軍事・外交圧力を強める中国に対抗する姿勢を打ち出す考えらしい。
【テレ朝ニュース(2020年9月17日)】
台湾外交部などは、米国務省のクラック次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が17日から19日の日程で台湾を訪問すると発表した。アメリカの国務次官は、長官、副長官に次ぐポストで、クラック氏が1979年に米台断交以降、台湾を訪れる最高位の米国務省の高官となる。台湾外交部によると、クラック氏は台湾側と経済協力の強化について話し合うほか、蔡英文総統らとも交流する予定。19日には、7月に亡くなった李登輝元総統の告別式典にも参列する。
産経新聞(2020年9月17日)によると、米政権としては米政府高官の派遣を重ね、台湾への軍事・外交圧力を強める中国に対抗する姿勢を打ち出す考えらしい。
国務省のオルタガス報道官は声明で、クラック氏の派遣に関し、「米国は政治的、経済的な価値を共有する台湾と、その活力ある民主主義体制との強固な連帯を堅持することを通じ、李登輝氏の足跡に敬意を示したい」と表明した。
クラック氏は、トランプ政権が8月末に設置を表明した米台間の新たな経済対話で米政府の代表を務める予定だ。訪台期間中の「弔問外交」で、台湾の高官らと中国のサプライチェーンからの脱却に向けた経済連携の強化策について話し合う可能性もあるという。
「ミスターデモクラシー」と呼ばれた台湾元総統・李登輝氏
李登輝氏は、1923年台北生まれ。蒋経国政権を副総統として支えた。蒋氏の亡き後は後継者として1996年に台湾史上初となる民主主義選挙により選ばれた総統となった。内戦やクーデターを起こさずに台湾を民主化した功績から、「民主先生(ミスターデモクラシー)」と呼ばれた。
李氏は2014年、英BBCのインタビューで「共産主義は嘘だ。 共産党の支配の目的は、資本主義体制の打倒ではなく、権力を掌握し、国民を欺くことである」と語った。
李氏は習近平氏について語ったことがある。「中国を民主化に導くことができるとは思っていない」「習近平にはこの素質がない」とコメントした。李氏は2014年5月、台湾の東呉大学の講演で「習近平は毛沢東よりも野心があるかもしれない」と指摘した。また、「中国大陸の最大の問題は思想の自由、信教の自由がないことであり、民主主義国とはかけ離れている」と指摘した。
生前、李氏は「共産党についての九つの論評」と中共から脱党した人々を高く評価し、中国共産党をはっきりと理解するための材料として、李氏は大紀元の社説『九評共産党(共産党についての九つの評論)』を読むべきだと述べた。
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