米国議員、「高智晟自由法案」を提出  中共が政治犯とする中国・香港の人々の解放を目指す

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2025年9月11日、米国ニュージャージー州選出の共和党議員クリス・スミス氏は、中国および香港で中共によって政治犯とされている人々の解放を求める法案「高智晟自由法案(HR 5303)」を提出した。

スミス議員は声明でこう語った。
「海外の政治犯を擁護することは、道義的責務であると同時に、アメリカの国益にも直結する」「高智晟、黎智英、そして数え切れない人々は、言論の自由、信仰の実践、弱者の擁護といった、アメリカ人なら当然享受している権利を行使しただけで、不当に投獄されている」

法案は、2017年に消息を絶った中国の人権派弁護士・高智晟氏にちなんで命名された。高氏はクリスチャンであり、独学で法律を学んだ弁護士。土地を奪われた農民や鉱山事故の遺族、そして迫害される法輪功学習者の弁護に尽力してきた。
2006年、高氏は中国指導部に対し、法輪功への弾圧停止を求める公開書簡を3度送付。その結果、「国家政権転覆扇動罪」で有罪判決を受け、8年間の服役後に自宅軟禁され、やがて行方不明となった。妻の耿和氏は2009年に米国へ亡命し、現在も夫の救済を訴え続けている。

スミス議員は、香港の民主化運動の象徴であり、国家安全維持法に基づき逮捕された黎智英氏についても言及。9月9日には、黎氏の息子セバスチャン・ライ氏と共に、ドナルド・トランプ米大統領に対し、父の釈放を働きかけるよう要請した。トランプ氏は8月、FOXニュースラジオのインタビューで「私は何度もこの問題を提起しており、あらゆる手段を講じて彼を救う」と述べている。
黎氏は2020年に収監され、2023年から始まった裁判は長期化。77歳の彼は糖尿病を患い、5年間も独房に監禁され、自然光すら浴びることができないという。息子はその劣悪な環境を訴えている。

法案は、以下のような包括的な支援策を盛り込んでいる:
– 中共が政治犯とし不当に投獄している人々のリストの公開
– 米国議会・行政府による説明会の開催
– 国務省に専任調整官を設置し、家族や支援団体との連携を強化
– 外交の場での継続的な擁護
– 必要に応じた制裁措置の導入

スミス議員はこう強調する。国際的な継続的擁護は、不当に投獄された人々の待遇改善や釈放につながることが経験から明らかだ。米国議会も国全体も、これら勇気ある人々を決して忘れてはならない。

法案には、民主党のトム・スオジ議員(ニューヨーク州)と共和党のジョン・ムレナール議員(ミシガン州)が共同提案者として名を連ねている。

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ロイター(2025年8月13日)
【引用元】
大紀元(2025年9月13日)