米中新冷戦激化「ヒューストン中共領事館は最悪の違反ケース」

時事

【NTDTV(2020年7月26日)】
米国務省はヒューストンの中国総領事館に対し24日までに閉鎖することを命じました。これは米中間の新たな冷戦がさらにエスカレートしたことを示しています。

記者 ベンソン・リュウ
「ここはヒューストンの中国領事館前です。現地時間24日午後4時です。10分前に警察がヒューストン中国領事館の周囲にバリケードを設置しました。米政府が領事館の閉鎖を命じたのは大きなことで、彼らは今この歴史の立会人となっています」

米国務省はヒューストンの中国総領事館に対し24日までに閉鎖することを命じました。 23日の夜10時過ぎ、中国領事館の職員が書類や黒いビニール袋などをコンテナトラックに積み込んで、物を運び出しました。情報によると、ロサンゼルスの中国領事館に移転するとのことです。

24日正午、中共の五星紅旗が下ろされ、国章が取り外され、ヒューストン総領事館の門が施錠されました。その頃、領事館の外には中共に抗議する多くの市民団体が集まっていました。横断幕を掲げた法輪功学習者の姿もあり、地元の市民も支持を表明しました。

ヒューストン市民 デイビッド・チャンピオノさん
「中共の新疆の人々への迫害および法輪功への迫害に反対する。米国人は他の国で何が起きているかもっと知るべきである。これは人権問題であり、世界の状況を理解する必要がある」

その前日、ヒューストンの中国総領事の蔡偉氏は、米国政府の領事館閉鎖の要求には応じないと主張し、米国の主張を完全に否定しました。これに対し、ポンペオ国務長官は「受け入れ国の同意の下でのみ、外国職員が公館に進駐することができるということは周知の外交ルールである」と述べました。また、外交官の身分を利用して、産業スパイや知的財産の窃取などの活動に従事することはできないと指摘しました。これが領事館閉鎖の原因であり、アメリカ国民を守るためだと述べました。

24日、米国務省の高官は、ヒューストンの中国領事館は米国における中共のスパイ行為の中でも最悪の違反ケースの一つで、その行動は容認できる線をはるかに超えており、米政府が介入しなければ、領事館の活動はさらに過激になる可能性があると指摘しました。

関係者はまた、中共がヒューストンの医療機関から新型コロナウイルスのワクチンを盗み出そうとしていることにも言及しました。しかし、領事館関係者には外交特権が認められているため、刑事責任の追及は容易ではないとの見方を示しました。

中共は米国への対抗措置として、四川省成都の米国領事館を72時間以内に閉鎖すると発表しました。しかし評論家は、米国は中共との外交戦争をエスカレートさせており、中共との国交断絶をも恐れていないことを明確に示していると考えています。

中国軍事問題専門家 リチャード・フィッシャー氏
「次はサンフランシスコ中国領事館の閉鎖だ。もっとひどいスパイセンターだ」

元ホワイトハウス国家安全戦略主任 ロバート・スポルディング氏
「我々はいま新たな冷戦中であることを認めなければならない。多くのことが起きるだろう。ロシアは悪者だが、中共は外交面でさらに攻撃的だ」

【引用元】https://www.ntdtv.jp/2020/07/44442/

米、中国総領事館は「最悪の違反ケース」 コロナ研究スパイか

[ワシントン 24日 ロイター] – 米政府高官は24日、中国が米国内の在外公館を通じスパイ活動など悪意ある行動に従事しているとした上で、同日閉鎖されるテキサス州ヒューストンの中国総領事館は「最悪の違反ケースの一つ」で、関与していた活動は「容認できる線を超えていた」との認識を示した。

国務省の高官は、ヒューストン総領事館の活動が中国の進める新型コロナウイルスワクチンの研究に関連していたと指摘。中国がコロナワクチン開発競争で首位に立ちたいという意志は極めて明確と述べた。

同高官は標的となっていた可能性のあるワクチン研究の詳細には踏み込まなかったものの、テキサス州には国立アレルギー感染症研究所の主要施設に相当するガルベストン国立研究所があり、同所ではコロナワクチンの研究が行われている。

米政府は今週、ヒューストンの中国総領事館閉鎖を命じた。米国の知的財産権と個人情報の保護が目的と説明していた。中国政府はこの日、対抗措置として、四川省成都市にある米総領事館の閉鎖を通知したと発表した。

司法省の高官は、いずれの国であれ領事館が一定の情報活動の拠点となっているという事実は受け入れるとしつつも、「ヒューストンの中国領事館の活動はわれわれが容認できる限度をはるかに超えていた」と語った。

同時に、領事館関係者には外交特権が認められているため、刑事責任の追及は容易ではないとの見方を示した。

同高官はさらに、当局が在サンフランシスコ中国総領事館に逃げ込んだ中国人研究者を拘束したと明らかにした。

法廷文書によると、この研究者はカリフォルニア大学デービス校に勤務し、米国ビザを不正に所得した疑いが持たれている。

司法省は前日、連邦捜査局(FBI)が国内約25都市で中国人民解放軍メンバーとみられる中国籍の米国ビザ保有者を聴取し、ビザに関する詐欺行為の疑いで3人を逮捕し、4人目が在サンフランシスコ中国領事館に逃げ込んでいるとしていた。

また、国務省高官によると、両国間の緊張の高まりに反し、中国側は引き続き、新型コロナ流行を受けて中国から退避した米外交官らの中国帰還を容認しているという。

【引用元】https://jp.reuters.com/article/usa-china-consulate-houston-idJPKCN24P2GI