中国の食品安全問題は常に批判されている。最近、中国が使用している農薬の量が世界中のすべての国を合わせた量よりも多いことを示す動画がネット上に投稿された。一方、中国共産党の高官たちには安全・安心な特別食品が供給される、「特供(特別供給)」があり、その店舗には一般市民が入ることができないという。
一人のTwitterユーザーが4月10日、「中国の農薬使用量が世界のすべての国を合わせたよりも多い」という動画を投稿し、中国、アメリカ、ブラジル、日本、ロシア、イギリスなどの国々の「農薬使用量」を視覚的に比較するデータの様子が映っていた。
動画では、肺がんに罹患している杜三と自称する中国人男性が映っており、彼は次のように述べた。
「こんなデータを見て、とてもつらくて泣いてしまった。しばらく言葉も出なかった。中国の農薬使用量は、なんと他のすべての国々を合わせた量よりも多い。私自身が肺がん患者で、体に腫瘍がある。今後も被害者が続出するだろう。様々な奇病(珍しい病気)が次々と発生し、病院も患者でいっぱいになるだろう。各種の農薬やホルモン剤などを加えたものが、毎年200万トン以上中国の土地に撒かれている。これらのものは、様々な食物連鎖を通じて、すべての中国人の体内に入る。これが一人ひとりに分配されると、一人一年あたり150グラムの農薬やとホルモン剤を消化する必要がある!」
「農薬を1本飲んでと誰かに言われたら、『それは犯罪だ』と言うだろう。しかし、我々中国人一人ひとりが一生で農薬を一本どころか、それ以上飲んでいるのだ!我々はまるでまな板の上の肉のようなもので、有毒であることを知りながら、食べなければならない。さらに悲しいことに、多くの人は病気になっても、死ぬ日になっても、自分がどうやって死んだのかわからないということだ」
これに対し、あるネットユーザーは次のようにコメントした。
「私の実家の田舎では、田んぼにカエルやドジョウ、ウナギがいなくなっている。農民に聞くと、除草剤を使っているからだと返答し、省力化のために引き続き除草剤を使うと言っていた。国内の複数の親戚が肺がんになっている。おそらく農薬と関係があるだろう」
中国共産党高官が「特供」食品を享受している
中国国内では環境汚染が深刻で、有毒な食品が横行しているが、一般庶民は生きるためにそれを食べざるを得ない。しかし、中国共産党の高官たちには安全で栄養価の高い特別な食品が供給されている。特別に開設された「特供(特別供給)」店舗には一般市民が入ることができず、これは中国では公然の秘密となっているという。
ラジオ・フリー・アジアの報道によると、祝咏兰という女性幹部は2008年、中国国務院が2005年4月に「中央国家機関食品特別供給センター」を設立し、国内94の省庁の幹部に対して良質で、安全な有機食品を供給していると公言した。これらの特別供給食品は、化学肥料、農薬、ホルモン剤、汚染物質、化学添加物、防腐剤、遺伝子組み換え技術などを使用せず、自然環境の中で栽培された食品で、一つでも基準を満たさなければ中央国家機関特別食品として選ばれることはできないという。
これに対し、一部のネットユーザーは、「中国共産党の高官らは皆、昔は農村のならず者、ごろつき、匪賊だった」「彼らは高官として自分たちのために巨額の医療費や特別供給を用意しているが、貧しい庶民らの生死には無関心だ」とコメントしている。
中国共産党高官だけに安全食品を供給する「特供」の実態
北京中心部からメインストリートの長安街を西に進み、五環路(第5環状線)を北上すると、ゴルフ場や公園、遊園地のほか、北京外国語大学などいくつかの大学のキャンパスや小中学校などの教育施設が目につく。車でわずか1時間足らずだが、一帯は北京市内の喧噪とは無縁な、のどかな田園地帯が広がり、緑が多いせいか、PM2.5も気にならないという。この一角に、巨山農場、巨山養鶏場など北京の食糧生産拠点がある。
しかし、ただの農場ではなく、ごく一部の高級幹部に安全な食品を提供する「特供(特別供給基地)」と呼ばれる特殊部門なのだ。
巨山農場や巨山養鶏場など特供の施設は2mほどのセメントで塗り固められた屋根付きの壁に囲まれ、それが縦と横に数百メートルも続いており、外側からだと単なる工場としかみえない。
しかし、農場の内部をよく知る地元の住民によると、建築面積はほぼ1平方kmで、ほぼ1km四方の正方形にすっぽりと収まり、東京ドーム77個分とかなりの広さという。ここで、米やキュウリやトマト、白菜、キャベツなどの野菜類やリンゴ、スイカなどのフルーツ、さらにニワトリや鴨などの家禽類、牛や豚のほか、鯉などの魚類も養殖されている。
「ここでは、ありとあらゆる食料が生産されているが、すべて自然環境での生育、飼育が絶対条件。遺伝子組み換えはもちろんダメ。原則的に農薬なしの有機農法が基本だ」と地元住民は語った。
【引用記事】看中国(2023年4月12日)動画を含む