カナダの国会議員と人権団体は、人権侵害者に対する制裁を求めるマグニツキー法を元に、法輪功学習者に対する迫害政策を率いる中国当局者14人に制裁を科すようカナダ政府に求めている。
【大紀元2020年7月17日】カナダの国会議員と人権団体は、人権侵害者に対する制裁を求めるマグニツキー法を元に、法輪功学習者に対する迫害政策を率いる中国当局者14人に制裁を科すようカナダ政府に求めている。
「カナダはこの法律により、法輪功学習者の収容、臓器強制摘出、殺害という重大な人権侵害を行っている共産主義政府の高官を制裁するべきだ」と、カナダの保守党ジェームズ・ベザン(James Bezan)議員は語った。
民間非営利団体(NPO)組織のカナダ法輪大法学会は、1999年7月20日に中国で法輪功学習者に対する迫害活動が始まってから21周年を迎えたことを受けて、迫害に関与した14人の中国共産党高官のリストをフランソワ・フィリップ・シャンパーニュ(François-Philippe Champagne)外務大臣に提出した。同組織は、300ページ近くに及ぶ、迫害の証拠とする書類を提出した。
14人の中には、迫害を開始し、実行を推進した江沢民元中国共産党総書記が含まれる。組織は声明の中で、「法輪功に対する迫害運動のなかで、中国共産党は超法規的な権力を行使し、信仰者に恣意的な逮捕、拷問、殺害、さらには強制的な臓器摘出を大規模に行っている」と述べた。
法輪功(もしくは法輪大法)は、5つの身体動作と、道徳的な教示を実践する気功法。1990年代には、推定7000万もの人々が中国全土で法輪功を修練していた。1999年に迫害が始まった後、数十万人もの人々が捕らえられ、刑務所、労働収容所、洗脳センター、精神病棟などに収容された。収容施設では、虐待や拷問を受け、修練をやめるよう強制された。中国国内ではいまもなお、多くの学習者が拘束され、迫害されている。
「政治的な意図や目的を持たず、精神的な修煉を促進する平和的な組織が、このよう残忍な取り締まりに遭っているというのは、とても奇妙なことだ」と、オーストラリアの公共倫理学者であるクライブ・ハミルトン(Clive Hamilton)氏は2018年の著書『サイレント・インベージョン(Silent Invasion、邦題:目に見えぬ侵略、飛鳥新社、2020)』の中で記述している。
「しかし、中国共産党の指導者たちは、党よりも多くのメンバーを有し、より大きな求心力のある運動を恐れた」と同氏は付け加えた。「現代の中国において、残忍で途切れることのない迫害を受けているグループは法輪功のほかにない」と述べている。
カナダの前司法長官アーウィン・コトラー(Irwin Cotler)氏は早期から、中国当局者へのマグニツキー法に基づく制裁を呼びかけてきた。同氏は、法輪功学習者は「中国共産党が組織した『殲滅(せんめつ)』運動の中で超法規的な殺害や拷問を受けてきた」と述べた。
「法輪功の友」の共同代表で保守党のピーター・ケント(Peter Kent)議員は、「カナダ政府がマグニツキー法を使い、少なくとも14人の中国政府関係者を制裁することを推し進めたい」とコメントしている。
保守党のタイン・ハイ・ノー(Thanh Hai Ngo)議員は、「カナダが世界の舞台で人権擁護者としてのリーダーシップを取り戻す時が来た」と述べた。
人道犯罪について第三者による調査と結果を示す民衆法廷の中国臓器収奪問題・最終裁定が2019年6月17日、英ロンドンで開かれた。50人以上の証言と1年に渡る調査の結果、議長のジェフリー・ニース卿は中国では移植手術の供給のために臓器の収奪があるとの事実は「避けられない」とし、臓器の強制摘出は「相当な規模で行われている」と結論を下した。議長は、すべての政府や企業などは、共産党政権の中国における、国家的な人道に反する罪を認識するよう呼びかけた。
カナダは2017年、人権侵害加担者に制裁を科すマグニツキー法を成立させた。この法律は、歴史上最大の税金不正を暴き、その後、モスクワで拘束され拷問を受けて死亡した、ロシアのセルゲイ・マグニツキー弁護士の名前に由来する。
この法律は、カナダ政府に、重大な人権侵害に責任を負う外国人に制裁を科す権限を与えている。制裁の例は、カナダの入国禁止、カナダの金融機関との取引停止など。
【引用元】https://www.epochtimes.jp/p/2020/07/59644.html