709事件から5年―人権派弁護士・王全璋さんが帰宅

2020年4月27日、中国の王全璋弁護士は山東省済南市警察の監視下で北京市の自宅に戻った(李文足さんのツイッターより) 人権

中国共産党が人権派弁護士や人権活動家を一斉逮捕した「709事件」から5年が経過した。当時拘束された人々の多くは釈放されたが、懲役4年6カ月の実刑判決を受け、最後まで残っていた王全璋弁護士(44)がこのほど出所した。

彼は今年4月5日に釈放されたが、さまざまな紆余曲折を経て4月27日にようやく北京の家族の元へ帰りついた。

王全璋氏:この1~2週間でようやく精神状態がゆっくりと外の世界に同期しているように感じられてきた。また自分の事件を直視できるようになった。今後はその資料を書き記す。

王全璋氏は2015年7月10日に拘束された後、2018年7月20日に彼が当局の公認弁護士と面会したことが明るみに出るまで、1000日以上行方が分かっていなかった。弁護士は、「王全璋さんは獄中で酷刑を受け、『高血圧薬』を無理やり飲まされていた。面会中は非常に怖がっており、会話の中でしばしば相手の話すことを正しく理解できていなかった」と明かしている。

王全璋氏:メディアの関心事が私の希望とあまり一致していないことが分かった。彼らが非常に関心を寄せているのは、(私が)罪を認めたかどうかと、酷刑が行われたかどうかの二つだ。だが実際のところ、私が過ごした時間は非常に長かった。あの中で起きたことは簡単に言い表せるものではない。

投獄された体験は説明しがたいことではあるが、王全璋氏は自身が今なすべきことは、自分がどんな目に遭ったのかを社会に説明することだけではないと考えているという。

王全璋氏:私にとって、法律上のこの種の方法の方がより重要だ。私は弁護士だ。私の目標は、私が何に耐えてきたかを話すことではない。私の目標は、この種の問題をどうやって解決するか、この種の冤罪事件を起こす機械をどうやって止めるかだ。これが我々の目標だ。

王全璋氏は山東大学を卒業し、中国の人権派弁護士の代表的な一人で、いくつもの法輪功学習者迫害事件の弁護を引き受け、その無実を擁護してきた。また、土地収用事件では多くの農民を弁護したほか、キリスト教徒案件など社会の弱者グループの人権擁護に奔走してきた。

王全璋氏:私が拘束された後のことは、実際には完全に私の予想を超えていた。こんなに早く来るとは思ってもいなかった。私の過去の慎重さに照らすと、彼らがこんなに早く私に対し対策を講じるとは思っていなかった。

2018年12月26日、つまり拘留されてから1266日後に、王全璋氏は「国家政権転覆扇動罪」の罪状で、天津市第二中級裁判所で起訴された。そしてわずか1か月後の2019年1月28日には、裁判所は王全璋氏に国家政権転覆罪の有罪判決を下し、4年6か月の有罪判決を言い渡した。

王全璋氏:政府のこの種の勝手な告訴、勝手な中傷、勝手な処罰や量刑はもっと注目されるべきだ。この事件を処理した一部の司法関係者は、任務を完了するため、いわゆる国家安全を守るという漠然としたスローガンのもとで、勝手に自分の考えを詰め込み、自分で許可し、自分で権限を拡大する。このことは、一人の法律家にとって受け入れがたいものだ。

王全璋氏は、指定された住居に監視付きで居住していた間に殴打され、拷問で自供を迫られたが、罪を認めなかったと話している。また、一部メディアが、報道を転載したときに事実と異なる報道を行ったとも指摘している。

王全璋氏:日本(共同通信社)の取材を受けた後、多くの中国メディアが記事を転載した際に、私が拷問を受けて罪を認めたと報じた。その時の元の話は、私は罪を認めろと迫られたが拒否し、彼らは酷刑を行い続けたというものだ。

王全璋氏は、自身が海外から資金提供を受けていないことを特に明らかにした。

王全璋氏:彼らはその中で、私が迫られてこの政府を転覆させるために海外からの資金提供を受けたことを認めたと報じた。だが私にはこうした経験はないし、日本の記者の取材を受けた時もそんな話はしていない。なぜ中国語メディアにこの話が出てきたのかは分からない。本当におかしな話だ。

王全璋氏は釈放された後も、さらに警察から政治的権利の剥奪という制限を受けている。彼は、現在も言論の自由がなく当局から厳しく監視されており、共同通信社の取材を受けた後すぐに電話で警告されたと話している。

【引用元】https://www.ntdtv.jp/2020/07/44300/

大紀元(2020年4月28日)https://www.epochtimes.jp/p/2020/04/55709.html