ゼロコロナ政策による都市封鎖は地方へ拡大中 市民対象の封鎖管理の実態とは?  

時事

中国・貴州省の高速道路で9月18日午前3時前、隔離対象者らを乗せて省都・貴陽市から市外の隔離施設に向かっていたバスが横転して27人が死亡、20人がけがをした。中国共産党(中共)の「ゼロコロナ」政策による都市封鎖は収まる気配がなく、ますます拡大しているようだ。
関連動画【薇羽が世間を看る】を紹介したい。

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「噂を信じるな、広めるな」と言われるが
深夜に扉が溶接された
分からないから通知を待つが
溶接は続く
封鎖も空腹も恐れないが
ただ団地に来るバスを恐れている
誰も言わぬが
次から次へとバスが往く
天地は知っている
知らぬはあなたと私だけ
PCR検査は全て陰性だが
明け方に道は全部封鎖された
「制御できているから慌てるな」と
こっそり方艙(臨時医療施設)まで急ぐ
封鎖に従わないと
「監視下に置く」と

この詩はネットユーザーの傑作で、中国の現状を生き生きと描いています。上海の管理がひどいと嘲笑した人たちも、今では地元の混乱した管理を体験しています。一部の地方は言わないだけで、実は初期の上海と比べて決して良いとも言えません。新型コロナ感染のため、広西と東興は、すでに8カ月間、封鎖されています。

あるネットユーザーが「東興には9日間しか登校していないのに、大学入試を受ける高校生もいれば、4日間しか登校していないのに、卒業写真を撮る中学生もいる。小学生も同様に。ここの人たちは、雨や風にもかかわらず、180日以上連続でPCR検査を続けている。かつて30万人が暮らし、賑わいを見せていた街は、今では3万人しか残っていない。人々は恐れをなして、逃げたり、引越した」と投稿していました。

広西と東興は、中国とベトナムの国境にある小さな町で、ベトナムのモンカイから川を渡ったところにあります。昔賑わっていたのに、今は人気(ひとけ)のない町になってしまいました。ネット上には、東興浄水場の近くで人が溺死し、放置されているため、水道水が飲めないという画像も掲載されています。当然、人々は怖くて逃げてしまいました。

毎日PCR検査を強制され、毎日陽性者が出ている。

現地のネットユーザーは、「一部の人は東興を離れPCR検査を受けていない。奇妙なことに、亡くなった人にもPCR検査で陽性だという電話がかかってきた。親戚から、PCR検査で陽性と判定されたという電話もあった」と投稿しました。

この不思議な現象は何でしょうか。

パンデミックに便乗して、金儲けをしている人の存在が人々にも分かってきたようです。

陽性と判定したいから、陰性でも陽性だと判定するのです。

現在、東興はパニック状態に陥り、ネット上のあらゆるところに助けを求める書き込みをしています。東興と同じように、山東・済寧と新疆・伊犂のネットユーザーも、あらゆるところへ投稿し、助けを求めています。

山東・済寧のネットユーザーは、CCTVの中秋節スペシャル番組のライブ中継にコメントしたこともあります。しかし、誰にも関心を寄せてもらえませんでした。

大都市を代表する上海でも大変混乱し、餓死者が出ているのですから、少数民族である新疆ウイグル自治区は、さらに厳しい状況だと思います。

ネット上には、新疆ウイグル自治区伊犁市からの救援の書き込みが数多くありました。ある医学生は「王先生、新疆ウイグル自治区を助けてください。これまで3、4回の新型コロナウイルスの流行があり、その都度2、3カ月以上の都市封鎖があった。

多くの庶民は野菜を買えない。高価な野菜を買うしかない。妊婦が赤ちゃんを産みたくても、病院に行けない。大学生は新疆から離れられず大学に行けない。不思議なことに新疆ウイグルの景勝地は、すべて開放されており封鎖されてない。新疆ウイグル自治区の伊犁への渡航は許可されている。一方、伊寧市では、各団地の出入り口を鉄筋で溶接され、鉄の鎖で封鎖されている。伊犁のチャットに救援のメッセージを書いたら、ブロックされ、書き込みを削除され弾圧された。」

こうした封鎖対策は、あくまでも市民対象であり、もちろん指導者は自由に出入りすることができます。

あるネットユーザーは、中苑第七区52棟の住民が、陽性と診断されて隔離されました。その時、彼の飼っていた3匹のトイ・プードルが連れ去られ、地域リーダーによって絞め殺されたと写真を投稿しました。人間を犬のように扱うなら、犬は蟻のような扱いを受けるでしょう。

9月10日、伊犁文化観光局の賀姣龍・副局長は、政府に協力して家庭での食事を一食を減らし、ゴミを出さないように訴えるビデオを投稿しました。彼女はブドウが盛られた皿を持ちながら、話していました。この女性副局長は、果物を片手に、他の人には食事を減らしてくださいと訴えたのです。

上海で起きた災害のほとんどが今、伊犁で繰り広げられていると言っても良いほどです。

これらの災害が上海の人々を襲ったとき、どれだけの中国人が幸災楽禍(こうさいらくか)したでしょうか。その時、多くの人が上海の管理が不十分のため、感染が拡大し、国中が影響を受けたと批判していました。

現在、自分たちの身に同じことが起こり、彼らはどう思っているのでしょうか。それとも、現地の管理が悪いと考えているのでしょうか。地方政府は皆、頑張って動態ゼロ化(ゼロコロナ政策)に対応すると思います。なぜ、どこも管理が不十分なのでしょうか?

また皆が動態ゼロ化のために苦しんでいる事実が、なぜニュースのトップにならないのでしょうか?ホットニュースは、党と国家に委ねられているからです。

庶民が見たり聞いたりできるものは、党と国家が庶民に知ってほしいことだからです。

ここ数日、中国国内の微博を検索すれば、李易峰(りえきほう)が女郎買いをしているというニュースが多いと気づいたはずです。正直なところ、彼は若い頃の毛沢東を演じた俳優だということ以外に、李易峰という名前には興味がありません。彼が女郎を買うことやスキャンダルがあったとしても全く気に止めません。

中国は今、74以上の都市が封鎖され、3億人の人々が隔離されていますが、これ以上の大きなニュースがありますか?

また最近、100人近い犠牲者を出したとされる四川地震も大きいニュースです。そして現在、まだ救助されていない人を重点的に捜索すべきだと思います。

こうした地震や飢餓で亡くなった人は、残念ながら党の目から見れば、気に留めることもなく、言及する価値もないようです。

詳細は動画をご覧ください。⇒ https://www.youtube.com/watch?v=ONNy0ZveLTI