多くの人々が上海からの脱出を試みている。上海空港ではロックダウンが原因で多くのフライト(国内線)がキャンセルとなり、空港で1か月以上寝泊まりしている人もいる。感染症対策により、空港に戻れなくなることを危惧しているからだという。
世界でも有数の規模を誇る上海浦東国際空港は、パンデミック以前の年間旅客数は7000万人以上で、1日平均約20万人が利用していた。
しかし現在、中共当局の厳しい感染症対策の下、ほとんどのフライトが欠航している。
その結果、多くの旅客が空港で寝泊まりしながら、目的地までのフライトを待つという方法を選択している。フライトが急遽キャンセルされるということが繰り返されているからで、中には、1か月以上空港に寝泊まりしている人もいる。
しかし、なぜ人々は空港内で寝泊まりをするのだろうか?
たとえ上海市内に宿泊先があったとしても、ロックダウン措置により、空港に戻ることができなくなる可能性があるからだ。バスや地下鉄が動いていないうえ、市内の至る所に検問所が設置されており、さらに移動には48時間以内のウイルス検査の陰性証明が必要だ。
中共メディアは、フライトのキャンセルはほとんどが国内線だと報じており、国際線が急遽欠航になることはほとんどないという。
ある乗客のSNS投稿によると、空港で立ち往生している人たちのほとんどは、寝泊まりの準備をしていないそうだ。幸運にも、パッド入りの椅子に座ることのできた人もいるが、その他の人たちはヨガマットやスーツケース、毛布、コートの上で寝ているという。ようやく飛行機に搭乗することができた人たちは、食品や空港での寝泊まりに必要な物を、空港に着いたばかりの人に残して行った。
空港の売店はすべて閉まっており、職員がカップ麺を売っているが、一人1日2つまでと制限されている。 長春行きの飛行機を待つある高校生は、連日カップ麺を食べ続けることは拷問のようだと話した。
食料の他に、衛生状態も問題となっている。売店が閉まっているため、歯磨きやシャンプーをすることもできない。
そのような状況にもかかわらず、彼らは毎日フライトスケジュールを確認し、航空券を購入するために、空港での寝泊りを続けているという。
【引用記事】NTDジャパン https://www.ntdtv.jp/2022/05/56801/