ワシントンのシンクタンク、ブルックリン研究所と民主主義を確保するための同盟(Alliance for Securing Democracy、ASD)の最新の報告書は、グーグル検索、ビーイング検索、YouTubeなどは、注目を浴びている政治問題などを検索中に、中国共産党(中共)メディアが上位に挙げられることが多いと指摘している。検索結果に挙げられる記事には、新疆のウイグル人弾圧を否定する記事や、中共ウイルスの起源が米国軍事ラボであるといった陰謀論が含まれているという。
これらの内容は、中共が新疆で少なくとも百万人のウイグル人を収容した話や、新型コロナウイルスの起源が武漢だったことなどを否定するものだ。
研究者は、中共当局の情報ソースのインターネットを通じた影響力を憂慮していると話している。大手検索エンジンの利用者としては、情報の真偽を見極める能力が必要といえる。中共のプロパガンダに騙されないようにするにはどうするべきか?
時事評論家の邢天行氏
「この報告書を見ると、西側社会はすでに、中共のプロパガンダ戦と世論戦の危険性を認識し始めたようだ。そしてこの問題はますます突出するようになっている。たとえば、法輪功に関連することを検索した場合、特に明慧ネットのことを検索した場合、そこに表示される情報は完全に中共が国内で法輪功を中傷している内容だ」
カナダ在住の中国人作家 盛雪氏
「中共自身も、彼らの多くのプラットフォームに大した社会的信頼性がないことを知っているのだ。たとえば、グーグルを模倣した百度(バイドゥ)を信頼しない人が増え続けている。だから中共は壁の外(海外)で世論市場を占領する必要がある」
カナダに住む中国人作家の盛雪氏は、2年前にチベット問題を研究していたときに、中共のフェイクニュースのプロパガンダが海外の世論のトップページを占領していることに気づいたと話している。
カナダ在住の中国人作家 盛雪氏
「中共のこうしたやり方は非常に気分が悪い。リスクを負いながら苦労してネット封鎖を突破して真実を知りたいと願う人がもっと騙されてしまう。しかも彼らの思考をも乱すうえ、彼らに自由と民主という普遍的な価値観に対する疑いを抱かせてしまう。なぜなら、彼らが見たものはやはり中共が彼らに植え付けたいと思っているものだからだ」
盛雪氏は、中共のいう経済発展によって、多くの人が共産党の暴政に抱いている警戒心を緩めただけでなく、一部は中共に奉仕するようになったため、中共が海外で採算度外視して浸透を図ることができるようになったのだと指摘している。
【引用記事】NTDジャパン https://www.ntdtv.jp/2022/05/56883/