フランス下院、対中非難決議を圧倒的多数で採択 日本は骨抜き決議案で採択か?

人権
仏パリのブルボン宮殿内の下院議事堂。2022年1月16日撮影(Photo by THOMAS COEX/AFP via Getty Images)

フランス下院は1月20日、中国共産党による新疆ウイグル自治区の少数民族に対する反人道罪を非難する決議案を採択した。議案はウイグル人への大量虐殺を公式に議会が認めると記している。一方、日本の国会決議案では、「人権侵害」⇒「人権状況」、「中国」「非難」の文字が削除された。これで「対中非難決議案」といえるのだろうか?

 

フランス下院は1月20日、中国共産党による新疆ウイグル自治区の少数民族に対する反人道罪を非難する決議案を採択した。議案はウイグル人への大量虐殺を公式に議会が認めると記し、政府に対して対中外交措置をとるよう求めた。

賛成169票、反対1票、棄権5票の圧倒的多数で採択された決議には、議会が「ウイグル人に対する中国(共産党)の暴力を人道に対する罪とジェノサイド(大量虐殺)であると公式に認定する」との文言が含まれる。

決議を率いた社会党党首オリビエ・フォール議員は中国民族への友好の意を示したうえで「商業利益に臆して人権侵害を行う政権のプロパガンダに従うわけにはいかない」と議場で力説。さらに、拷問や性的暴行、文化の根絶、強制的な臓器摘出といった迫害を経験したウイグル人の証言を紹介した。

決議に先立ち、欧州ウイグル研究所は社会党と共催で2度にわたる聴聞会を開き、人権専門家や迫害経験者からの情報を共有していた。

今回のフランス下院の非難決議は北京冬季五輪を2週間前に控えるなか採択された。マクロン大統領率いる中道与党、共和国前進も決議を支持した。これまでウイグル人に対する中国共産党の弾圧を「ジェノサイド」と例え非難したのはオランダ、カナダ、英国の各議会と米国政府である。

「人権侵害→人権状況」に変更し、「中国」「非難」の文字は削除 日本は骨抜き「対中非難決議案」で2月1日採択か?

中国当局による新疆ウイグル自治区などでの人権侵害行為を非難する国会決議について、自民党は2月1日にも採択する方向で各党と調整に入った。決議は昨年、複数の超党派国会議員連盟が各党に働きかけたが、自民、公明両党が難色を示し、2度も採択が見送られた。北京冬季五輪(2月4日開幕)前に、意思表示できるかが焦点であるといえる。

しかし、決議案は昨年末の自公間での修正協議で、当初案にあった「人権侵害」が「人権状況」に変わり、「非難決議案」から「非難」が削除され、「中国」という国名もなくなった。これでどうやって「対中非難」の決議案といえるのだろうか?

 

【引用記事】
・大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2022/01/85200.html
・AFPBB https://www.afpbb.com/articles/-/3386564
・zakzak https://www.zakzak.co.jp/article/20220120-5QK6HSN2JVPZ5CA3J226MPIARM/