米国とその同盟国は、中国製テクノロジー製品の使用についてあまりにも油断していた。
最近、米国政府は、中国製のクレジットカード決済端末が米国ユーザーのデータを中国に送信していることを発見したが、メーカーは合理的な説明をすることができなかった。
米財務省の報告によると、中国製の数百万台のPOS(ポイント・オブ・セールス)機、 つまりレジに設置されているクレジットカード決済端末が消費者データを中国に送信している可能性が高いという。
米国財務省の検査によると、データは暗号化され、中国に拠点を置く匿名の第三者機関に渡されていた。ブルームバーグ通信は、米財務省サイバーセキュリティおよび重要インフラ保護局(OCCIP)の書簡を引用し、これらのデータ送信の動作は「通常の支払い取引処理には不必要」であり、中国に流出するデータは通常の支払い取引に必要な量よりも多く、頻繁に発生していると伝えた。
財務省の広報担当者はブルームバーグに対し、「財務省の初期評価はこれらの機器によるデータ転送は、消費者データの安全性を脅かしていると結論づけた」と語った。
これらの機器は中国の電子決済端末メーカーである百富環球(PAXグローバルテクノロジー)の子会社が製造したものだ。同社はデータセキュリティに関する懸念は「デマ」であると主張している。
同社は香港に本社を置き、主に中国の深センに研究開発とオペレーションセンターを置いている。同社はこれまでに5700万台の決算端末を製造し、世界120カ国で利用されているという。
米FBIは10月26日、フロリダ州ジャクソンビルにあるPAXグローバルテクノロジーのオフィスを家宅捜査した。2日後同社のセキュリティ・サービス部門の副ディレッターが辞任した。英国の安全機関も同社を調査している。
サイバーセキュリティの専門家であるブライアン・クレブス氏はFBIの捜査は同社の機器における「異常なデータ転送」の慣行だけでなく、米国や EUの機関におけるサイバー攻撃、ハッキング、違法なデータ収集にも関連していると指摘している。
フロリダ州の金融会社FIS Worldpayの広報担当者は「これら(PAXグローバルテクノロジー)のデバイスは説明書に記載されていない web サイトに自動的に接続する」、「PAXグローバルテクノロジーに質問しても納得のいく答えは返ってこなかった」、「データセキュリティの懸念からFIS Worldpayは、これらのデバイスを米国とフランス製のデバイスに交換しなければならなかった」と述べた。
今回の事件は中共のテクノロジー機器の闇を示す氷山の一角に過ぎない。その他Zoom、TikTok、コンピューター、携帯電話などの中国製テクノロジー製品は世界中の何億人ものユーザーのデータを中国政府の監視下にさらしている。
これはソフトウェアだけでなく、中共と密接な関係にあるメーカーのパソコンやタブレット、携帯電話にも言えることで、パソコンの90%、携帯電話の70%は中国で生産されている。これらのハードウェアの使用には高いリスクが伴う。
中共は世界のほとんどの電子機器の生産をコントロールしている。現在この政権は世界で勢力を拡張している。我々は利便性と低コストを追求するあまり、非常にリスクの高いこの結果を常に無視してきた。
米財務省はすでに中共が提供する技術製品や技術の使用に伴う高いリスクを考慮して、中共の技術の使用を拒否する意向を明らかにしている。
米国とその同盟国が未だにTikTokなどのソフトウェアやパソコン、電話、クレジットカード決済端末などのハードウェアを含む中共系のテクノロジーメーカーから民主主義社会を守ることができないのは不条理なことだ。
これは米国とその同盟国のプライバシー、労働者、そして産業構造の多様性を危険にさらしている。