元中国(中共)外交官が暴露 海外の教育部門への浸透工作 

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豪州のシンクタンク・ローウィー研究所の最新の「グローバル外交指数」のデータによると、中国共産党(中共)は2021年までに、世界中に275の大使館、領事館、及び外交機構を設置したという。元中共外交官の陳用林氏は、「中共領事館教育部が、学生団体への浸透、外国の学問的独立に対する干渉、スパイネットワークの運営、孔子学院の経営に主に力を入れている」と明らかにした。

また、中共は2008年より、巨額の資金を投じて、外国人科学者を採用するための『千人計画』を開始した。米連邦捜査局(FBI)は、中共の「千人計画」が、他国の知的財産や重要技術を盗むために教授や研究者を募集するためのものであることを突き止めた。

 

中共は海外留学生をコントロール

海外に留学する中国人学生が増えるにつれ、中共教育部のコントロールが増大の一途をたどっている。元中共外交官の陳用林氏は、中共領事館教育部が、学生団体への浸透、外国の学問的独立に対する干渉、スパイネットワークの運営、孔子学院の経営に主に力を入れていると明らかにした。

元中共外交官・陳用林氏
「彼ら(外交官)は学生集団をコントロールしたいのです。留学生が現地の文化に影響され、その影響を中国に持ち込むことを恐れているために、マインドコントロールや洗脳を続けているのです。その最も効果的な方法は、WeChatや現地の親中共メディアを利用することでしょう」

中共は”孔子学院”という名を使って外国人に中国語を教え、中共のイデオロギーを輸出している。これには各国から抵抗の声が上がっていたので、最近ではその名称を変え、依然として教育分野への浸透を続けていることが明らかになった。

陳用林氏
「彼らは華人以外のコミュニティや中国国民でない人々に中共を宣伝したいのです。孔子学院で中国語を学び、そして中国を訪れれば、とても歓迎されるでしょう。そうなれば、その人々は中国を好きになります。中国を好きになるということは、たいてい中共を好きになるのと同じことです。このような理念を浸透させて、民衆を困惑させるのが彼らのやり方です」

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「中国語教育推進機構を名乗る『漢辦』や孔子学院の評判がすっかり落ちたため、今は顔を変え、文化を売りとする中共の新しい輸出機構を作り出しています。それは影響力を及ぼし続けています。この新しい流れは我々が懸念すべきことです」

中共の在外大使館や領事館には、通常のビザ手続きなどの領事業務のほか、多くは行政、華僑、ビジネス、科学技術、教育、文化などの部門が備わっています。これらの分野における浸透について、カナダの国家安全保障機関は、調査を実施し続けている。

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中共千人計画、ビジネスや科学技術界に浸透

元中共外交官・陳用林氏の話によれば、中共は2008年より「千人計画」を利用して海外の最先端技術を盗み出し、それがビジネス分野にも浸透しているという。

陳用林氏
「中共は2008年より、外国人科学者を採用するための『千人計画』を開始しました。地方政府や省政府、中央政府はいずれも巨額の資金を投じています」

米連邦捜査局(FBI)は、中共の「千人計画」が、他国の知的財産や重要技術を盗むために教授や研究者を募集するためのものであることを突き止めた。近年、米国をはじめとする各国は、中共がスパイを使って最先端技術を盗むことについて、取り締まりを続けている。ハーバード大学の元教授、チャールズ・リーバー氏は以前、「千人計画」に関与し技術を盗んだことを隠ぺいしたとして、6カ月の自宅軟禁を言い渡された。

陳用林氏
「2008年より、中共はこれに多額の資金を費やし、ハイテク、特に兵器の開発分野に全資源を使って注力してきました。これはカナダと米国が同分野で学術研究を共有しているためです。しかし、カナダはこの研究に対して多くの制限を設けていなかったといいます」

また、豪州紙オーストラリアンは、中共が「千人計画」やその他の同様の採用プログラムに高給で採用した32人の科学者のリスト(うち4人は華人ではない)も明らかにしている。

陳用林氏
「オーストラリアとカナダは通常、中国のハイテク産業のインキュベーターおよびアクセラレータと見なされています。中国の企業は通常、オーストラリアとカナダの一部の大学に資金を提供することを選びます。これにより、中国にとって有益な研究に集中することができます」

陳氏はまた、中共が長期にわたって、商業や貿易分野に浸透してきたことも明らかにした。

陳用林氏
「カナダには中国の国有企業も数多くあります。彼らは中共から多くの資金を得ているので、中共政権のために働くことを厭わないのです」

2017年、中国・深センの企業ハイテラ・コミュニケーションズは、バンクーバーのノーサット・インターナショナル社の全株式を取得した。ノーサット社は衛星通信の会社で、米国防総省、米陸軍、NATO、ロイターなどの大手メディアを含む顧客向けに基地局アンテナや衛星地上端末を開発・製造を行なっている。そのため、カナダでは民衆からの批判と社会的関心が高まっている。

【引用記事】NTDジャパン(2023年7月3日)