物資が届かず窓から悲鳴を上げる上海市民 支援物資はどこに行った?

時事

上海市居住区の封鎖管理が始まって以降、長期間自宅に閉じ込められて飲食物のストックが尽きたうえ、何の支援も届かない住民が、自宅の窓から外に向かって「物資を送れ」と大声で叫ぶようになった。他の省から送られる支援物資は届かず、どこに運ばれたか不明で、転売の可能性もある。一方、上海の地方出身者はさらに過酷で、生きるか死ぬかの瀬戸際だと言う。

4月7日、上海市宝山区顧村住民の孫鳳秋さんは新唐人の取材に対し、物資を送れと窓から叫ぶ「喊楼(かんろう)」が最初に始まったのは宝山区だと話し、その理由について支援物資が彼らの居住区の入り口に届いても、配られるのは数家族だけで、テレビ局や新聞社がその様子を一通り撮影し終わったら、それらの支援物資はどこかに片づけられるからだと説明している。

中国メディアは、4月5日に新疆ウイグル自治区カシュガル地区のカルギリク県(葉城県)が上海宝山区に向けて3回目の支援物資を発送し、雲南省曲靖市(きょくせい-し)が3月末に野菜30トン、ハム468箱、伝統菓子などをはじめとする1回目の支援物資を上海市宝山区に発送したと報じた。

上海市宝山区顧村保利葉居住区付近の住民
「ほかの省が物資を無償で私たちに送り、しかもそれらは場所を指定しての寄付だ。例えば、雲南省が伝統菓子を送ってくれたそうだが、私たちはその外箱すら見ていない。何も届いていない。ほかにも新疆からラム肉が届いたというが、私たちはラム肉のにおいすら嗅いでいない。彼ら(政府)が物資をどこに運んでいるのか本当に分からない」

インターネットに流出したある動画には、支援物資をこっそり持ち帰っている人の中に、白い防護服を着た人物が映っているが、彼らの身元を確定する方法はないようだ。街には防護服を着た警官があふれており、支援物資を転売して大儲けしている人もいるという。

【引用記事】NTDジャパン https://www.ntdtv.jp/2022/04/56158/

 

上海の地方出身者に支援なし 生きるか死ぬかの瀬戸際

上海市が封鎖管理下に置かれたことで、多くの人が物資の不足によって苦しい状況に立たされているが、上海市民であれば居民委員会や居住区担当者に支援を求めることができる。これに対し、出稼ぎや進学のために上海で暮らしている者や、賃貸マンションに住む上海に戸籍のない地方出身者などはさらにひどい状況に置かれている。地方出身者が住むマンションはその居住区の管轄外 となり、彼らを支援してくれる公的機関が存在しないためだという。

【引用記事】NTDジャパン https://www.ntdtv.jp/2022/04/56169/