4月21日、米国の上院議員が中国共産党(中共)に対抗するための大きな法案である「戦略的競争法案」(Strategic Competition Act)を提出し、上院外交委員会を賛成多数(21-1)で通過した。
この法案は、科学技術、軍事、人権、経済、影響力強化作戦など、様々な分野で中共に対抗するものだ。この法案を提出した上院外交委員会のRobert Menendez委員長(民主党)は、外交委員会で中共の挑戦の規模、範囲、緊急性は前例がなく、これに対処するためには競争力のあるあらゆる政策と戦略が必要であると述べた。
この法案は、中共がもたらす国家安全保障と経済の課題に真に立ち向かうために、米国が利用可能なあらゆる経済的・外交的手段を用いて、インド太平洋戦略を策定するという前例のない党派を超えた取り組みを実現している。
Menendez氏は、戦略的競争が米中関係を見る上で、正しい枠組みであることは間違いないが、これは米国が望んでいるからでも、作ろうとしているからでもなく、北京の過去と現在の選択によるものだと強調した。
「戦略的競争法案」は281ページにも及び、ポイントは7つある。
1.米国企業の中国撤退を助け、サプライチェーンを分散させる。
2.中共の対外プロパガンダに対抗するため「中国(中共)影響力対抗基金」に毎年3億ドル(約320億円)の特別予算を拠出する。
3.中共のデジタル権威に対抗するために、EU。日本、台湾、「ファイブ・アイズ」との協定を呼びかける。
4.中共の軍事拡張た武力攻撃の野心に報復する。
5.米国と台湾のパートナーシップの強化
6.台湾と他国政府を同等に扱う。
7.香港の民主化を促進する特別予算を出し、人権侵害に違反した官僚に対する制裁を拡大する。
同法案は、近年の米国における最も重要な反共産主義法案と言われている。また、法案の修正案では、2022年に北京で開催される冬季オリンピックに米国政府が代表団を派遣し出席することを禁止しているが、選手の試合参加には影響がない。
同法案は上院に送られ審議され、両院で可決された後、米国大統領の署名で発行される。