シノファーム会長「1年前にワクチン接種済」 ウイルスの発生時期は一体いつ?

時事

NTDジャパン(2021年3月15日)によると、中共全国人民代表大会(全人代)代表で、シノファームグループ会長の于清明(う・せいめい)氏は先日、同社の上層幹部は、早くも一年前に中共ウイルスワクチン接種を受けていたことを明らかにしました。しかし、中共が感染発生を認めたのは昨年1月で、ワクチン開発の実際の時期やウイルスの発生源について、外界は疑問を呈しています。

中国のポータルサイト最大手、新浪網(SINA)の3月6日付けの記事によると、中共全国人民代表大会(全人代)の代表で、シノファームグループの会長である于清明氏が、同社の上層幹部は、1年前の2020年3月に、すでにワクチン接種を受けていたと明かしました。1年が経つ今も、高水準で抗体が維持されているとし、議論を巻き起こしました。なぜなら、中共はウイルスの感染発生は2020年1月であると主張しているからです。

于清明氏の話では、シノファームのワクチンは僅か2か月の研究開発で公開したことになり、しかも上層幹部にもワクチン接種していることから、外部からの強い疑問が投げかけられました。

マイク・ポンペオ前国務長官(2021.02.21)
「中共の監視の下でなければ、何が起こったのかを正直に話すことができる。(ウイルスは)あの実験室から由来したという十分な証拠がある」

ポンペオ前国務長官は在任中、武漢ウイルス研究所の事実確認に関する声明を発表し、同研究所の複数の研究員が、2019年秋の時点で中共ウイルスに感染していたことを指摘しました。この報告について、バイデン政権も一部は事実であると認めています。

これに対して、ポンペオ氏は9日ツイッターで、「私がでっち上げたと言ったのは、プロパガンディストで、誰だかわかるだろう」と投稿しました。

マイク・ポンペオ前国務長官(2021.01.13)
「(ウイルスの)発生源は中国であるだけでなく、まさしく湖北省武漢なのだ」

昨年1月11日、中国上海にある研究所の専門家が、世界で初めて新種株の武漢ウイルスのゲノム配列を発表しましたが、その翌日、研究所は当局によって突然閉鎖されました。

米バイオテクノロジー企業のモデルナ社は2020年1月にmRNAワクチンの研究を開始しました。同年3月にヒトにおける第1相臨床試験に入り、第3相臨床試験の初歩的なデータが発表されたのは同年11月でした。ワクチンを早期実用化すべくトランプ前大統領が掲げた「ワープ・スピード作戦」の下でも、第1相から第3相の試験報告に至るまで9か月がかかります。

しかし于清明氏は、2020年3月にシノファームグループの上層幹部は同社製造の「不活化ワクチン」の接種を受けていたと述べています。中共は一体、いつ分離されたウイルス株を入手し、ワクチンの研究に着手したのか、国内外で議論を巻き起こしています。