日本に輸入されているアパレル製品も本当は強制労働の疑いはないのだろうか?
【大紀元(2020年8月14日)】
米国税関・国境警備局(CBP)は、中国の英騰集団(Hero Vast Group)から輸入したアパレル製品に対し、即日「差し押さえ令」を出したと発表した。同社は製品製造に囚人を強制労働させた疑いがあるという。
米CBPは声明の中で、「英騰集団は、アパレル製品の製造に刑務所の中国人奴隷労働を使用しているという合理的な証拠がある」と述べた。同集団傘下の子会社の全社が、輸入アパレルおよび関連商品の「差し押さえ対象」となった。
米連邦規則では、囚人労働、児童労働、契約労働などの強制労働によって製造された製品(一部使用も含む)の輸入を禁じている。このような製品は差し押さえの対象となるだけでなく、米司法省は輸入業者に対して犯罪捜査を行うこともある。
輸入業者は「製造プロセスに奴隷労働は関与していない」ことを証明するために、CBPに資料提出する機会はある。
CBPの貿易担当エグゼクティブ・アシスタント・コミッショナー、ブレンダ・ スミス氏(Brenda Smith)は声明の中で、「強制労働の使用は深刻な人権侵害であるだけでなく、グローバルサプライチェーンにおいても不公平な競争を生み出している。 CBPの目標は、奴隷労働によって生産された商品が米国の消費者の手に届くことがないようにすることだ」と述べた。
CBPによると、2019年9月以降、米税関は11件の「一時差し押さえ令」を出しており、そのうち4件は中国製品を対象にしているという。
米労働省が2014年に発表した奴隷・児童労働製品のリストによると、「レンガ、クリスマス飾り、石炭、綿花、電子機器、花火、靴、衣類、繊維製品、玩具などを含む、少なくとも12種類の製品のほとんどは、中国の刑務所や労働収容所、拘置所で製造されている」という。
中国臓器移植問題を追う組織「追査国際」(法輪功迫害を追跡する国際組織、WOIPFG)の汪志遠代表は2019年12月、米国議会のシンポジウムで、「中国共産党は全国の刑務所を「監獄企業」と組織化し、企業名義で営業活動を展開し、製品を欧米に輸出販売している。しかしその本質は、司法機関が直接管理し、国家財政が支援をする『国家ぐるみの奴隷労働産業』だ」と指摘した。
例えば、四川省の德陽刑務所は「四川省德陽市九五工場」の名で、欧米に輸出するぬいぐるみを製造している。 山西省女子刑務所は「山西省化工場」の名で、ギフト用のラッピングバッグ、手作りのカークッション、および海外輸出用のニットセーターやハンドバッグなどを生産している。 また河北省女子刑務所(旧石家荘女子刑務所)は「金泰実業有限公司」の名で、長年にわたりアパレル製品を生産し、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに輸出してきた。
「追査国際」の調査によると、「現在、中国の30の省・市・自治区には少なくとも681の国有監獄企業が存在する。中国では何百万人もの人々が刑務所にいる間、刑務官の拷問のもとで毎日12~19時間にも及ぶ残忍な奴隷労働を強いられていると推定される」という。