中国、新型コロナ患者に肺移植 執刀医に臓器狩り関与の指摘も

人権
中共ウイルス(新型コロナウイルス)で肺損傷 肺移植に成功と報道、担当医は臓器ビジネス関与か(GettyImages)

ちょっと前の記事ですが、中国で新型コロナ患者への肺移植の記事があったので、紹介します。
また、これに関連して、8月11日、「中国臓器移植濫用に関するアジア諮問委員会」日本代表・根本敬夫氏は、臓器強制摘出の加担を疑われている中国医師ら医療関係者のリストを外務省中国モンゴル第一課に提出し、同時に、リストにある人権侵害加担についての調査および、これが確認された場合、マグニツキー法同等の制裁(ビザ発給停止や資産凍結など)を科すよう求める要望書も提出したという。

中国、新型コロナ患者に肺移植 5日で臓器入手か 執刀医に臓器狩り関与の指摘も

【大紀元(2020年3月3日)】
中国の肺移植の専門家は2月29日、江蘇省無錫市で「世界で初めて新型コロナウイルス患者に両肺移植を成功させた」と報告した。3月1日、北京青年日報が伝えた。担当医は中日友好病院肺移植科主任・陳静瑜氏。国際人権団体からは中国臓器ビジネスに関わる非人道犯罪の疑いがあるとして指摘されている人物でもある。

報道によると、移植患者は江蘇省連雲港市の59歳の男性。肺の提供者は、脳死した他省の在住者で、両肺は高速鉄道で運搬されたという。

移植患者は1月26日に中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染と診断された。2月22日以降は、重症呼吸不全の患者の呼吸管理に用いられる「体外式膜型人工肺(ECMO、エクモ)」が導入されていた。

2月24日、PCR(核酸)検査は陰性だったが、患者の肺機能はひどく損なわれ、回復が困難になった。28日、右肺から2500mlの出血があり、危篤状態にあったという。29日、無錫市人民病院の副院長でもある陳静瑜氏は、両肺移植を執刀した。手術後、患者の容体は安定しているという。

移植手術チームは感染のリスクを防ぎ、さらにウイルスが外部に漏れないよう減圧した手術室内で、防護服を着て実施したという。

中国で行われた臓器移植について、適合する臓器を見つけるまで数日〜数週間と時間が短いと指摘されている。今回も、臓器がわずか5日で提供された。また、ドナー情報が少なく「新疆ウイグル人か、法輪功学習者か、香港抗議者か」などのうわさがネットで飛び交った。

日本や米国では通常、両肺移植は十数年の待機時間を必要とする。今回の手術でかねてから国際的に非難を受ける「臓器収奪」問題が浮き上がった。1年余りかけて多数の証拠を検証して人道犯罪に裁量するロンドン民衆法廷では、中国の臓器ビジネスは相当な規模で行われ、現在も続いているとの最終裁定を下している。

中国には、自由意志による臓器提供がまだ少ない。米国では、臓器提供の登録者は1億5500万人(2018年)で、米国の成人人口の58%を占める。いっぽう、中国臓器移植開発財団の「臓器提供有志登録ネットワーク(器官捐献志願者登記網)」では、3月2日現在、登録寄付を完了した市民は125万8600人で、人口15億の0.08%程度だ。

さらに、健康な両肺を持つ人が「タイミングよく」脳死して、血液とHLA(ヒト白血球抗原)のマッチングテストが適合する臓器が5日間という短時間で提供されるというのは非常に低い確率だ。

2006年、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏と元閣僚デービッド・キルガー氏らの調査報告書『血塗られた臓器狩り』で、中国では国内外の臓器移植希望者のために、囚われの身になった人から強制的に臓器を奪取して移植手術用に利用するという悪魔のビジネスが行われていると指摘した。この問題は中国共産党、警察、裁判所、病院、軍が系統的に関与しているという。「生きた臓器バンク」として拘留されているのは、1999年以降、共産党政権から弾圧を受けている法輪功学習者だと推計する。

昨年6月、国際的な人権問題について第三者が証拠を検証する「民衆法廷」が英ロンドンで開かれた。法廷は、中国では「かなりの期間、相当数の臓器収奪が行われてきた」と結論付け、同じく主な被害者は法輪功学習者だとした。この報告内容は英字圏を中心に100あまりの主要メディアが取り上げた。日本外務省は国会参考答弁で、この民衆法廷の最終裁定を認知しているとした。

著名な肺移植医

中共ウイルス感染により肺を損傷した患者に肺移植手術を担当した陳静瑜医師は、中国「肺移植の権威」として知られ、全人代代表(国会議員に相当)も務める。2019年3月、6歳児への両肺移植手術を成功させたとして、人民日報など官製メディアで多く報道された。当時、北京の人民大会堂での会議の会期期間中だったが、休憩時間を利用して中日友好病院に戻って手術したという。中日友好病院肺移植センターは、肺移植の年間手術数が100例を超える「手術数で世界8番目の肺移植センター」である。

大紀元は2019年10月、北京の中日友好病院に問い合わせたところ、数週間内で肺の移植手術をすることは「中国ならば可能だ」と答えた。

陳医師の微博(中国版ツイッター)からも江蘇省無錫市人民医院では肺移植手術が頻繁に行われていることが分かる。それによると、陳医師のチームは昨年9月に3回、8月に7回の手術を行った。8月18日にチームは二つに分かれ、それぞれ手術を担当した。1〜6月まで41回の手術があったという。

陳医師は8月13日の投稿で、死刑囚による臓器提供が禁止になった後、「予想に反して、忙しくなった。今、3日に1度の頻度で手術している」と述べた。

陳静瑜医師の微博からまとめた情報(微博)

知名度の高い陳氏だが、臓器ビジネスに関する情報サイトでは、人道犯罪加担者としてリストアップされている。法輪功迫害追跡調査国際組織(CIPFG、追査国際)によると、陳氏は入手経路が不透明で本人の意思が確認できないまま提供された肺を利用して「2002年9月~2011年12月までに肺移植131件、肺入手129件に関わった」とある。

【引用元】https://www.epochtimes.jp/p/2020/03/52398.

臓器狩り関与の中国医師リスト、外務省に提出 有志組織

【大紀元(2020年8月13日)】
中国の臓器移植では、無実の囚人から強制的に臓器が摘出されていると米国や欧州議会、人権団体が長らく指摘している。このほど、日本の有志組織は、臓器強制摘出の加担を疑われている中国医師ら医療関係者のリストを、外務省アジア大洋州局中国・モンゴル第一課に提出した。

米国を拠点にする法輪功迫害追跡調査国際組織(WOIPFG)は10年以上継続して、中国本土31の省と直轄市にある800あまりの臓器移植病院に対して、臓器の強制摘出の有無について状況調査を行っている。

WOIPFGが公開した移植医師らの発言によれば、例えば健康的な身体を維持する法輪功学習者は、医療費を上乗せして「法輪功の臓器」を選べるような仕組みだったり、医師が「当日の移植も可能だ」と話すなど、需要に応じた移植手術ができるような状況にあることがわかっている。

WOIPFGは調査の結果、非人道性の疑われる臓器移植に加担する医療関係者のリストを作成し、国際社会への認知を促している。WOIPFGはリストを米国政府に提出し、リストに掲載された人物に対して、人権侵害者への制裁を科すマグニツキー法を適用し、ビザ発給停止や資産凍結を求めている。

8月11日、日本と台湾、韓国の有志組織「中国臓器移植濫用に関するアジア諮問委員会」日本代表・根本敬夫氏は、外務省中国モンゴル第一課に、WOIPFGの強制臓器摘出の加担者リストを提出した。同時に、リストにある人権侵害加担についての調査および、これが確認された場合、マグニツキー法同等の制裁を科すよう求める要望書も提出した。

根本氏は、「リストに記載された人物は、中国臓器狩りに関わっている。生きている無実の人から臓器を奪い、金銭のために他人に移植する、このような問題が放置されていてはいけない。外務省は適切な対応を取ってほしい」と大紀元の取材に答えた。

データの改ざん

中国では2015年に自発的な臓器提供システムを確立したばかり。衛生部(厚生労働省に相当)は、死刑囚の臓器を利用せず、ドナーシステムの中でのみ移植臓器は使用されると主張している。一方、海外の研究者たちは中国の移植件数にはドナー登録者数との不一致があるとして、中国の主張に異議を唱えている。

医学誌「BMCメディカル・エシック(Medical Ethics)」2019年11月に掲載された研究報告によると、中国の臓器提供データは不自然にも「ほぼ正確に数式どおり」存在していることになっており、当局がデータを改ざんしている可能性が高いと報告者たちは結論づけた。2020年2月に別の医学誌「 BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)」 に掲載された論文では、445件の中国の医学論文のうち440件が、臓器の提供者は献体に同意したのかどうかが不明だった。

WOIPFGによる最近の機密調査によると、ある軍医は、若い生存者から「高品質な」臓器を調達していたことを認めた。また、ドナー希望者に扮した調査員に対して、希望すれば「ドナー」を見ることができると話していた。

「動揺しないなら…」と、陝西省にある中国空軍医科大学(第四軍医大学)西京医院の腎臓移植外科医、李国偉氏は2019年1月に電話で語った。「(病院についたら)ベッドに案内します。確認してください…20歳代です」。

WOIPFGの調査員は別の機会の取材で、李医師に対して「あなたは法輪功(学習者)の臓器を使っていますが、それらが良質で病気のないものだと考えていますか?」と尋ねた。「はい、そういう言い方ができます」と李氏は答えた。

新型コロナウイルス患者に対する5日以内の両肺移植や、日本からの中国人患者(名古屋の実習生)に10日間で4つも心臓が提供されるなど、今もなお、中国の臓器移植手術では医学倫理上実現の難しい極短期の待機期間で移植手術が行われている。

「中国が独立した調査を認めないのであれば、国際的な臓器移植関係者は中国の移植システムから切り離すべきである」と医療関係者による倫理団体「強制臓器摘出に反対する医師の会(DAFOH)」代表のトルステン・トレイ医師は大紀元の取材に答えた。

【引用元】https://www.epochtimes.jp/p/2020/08/60802.html