ポーランドが共産党を禁止 中国ネットユーザー「邪教は必ず滅びるべき」

人権

ポーランド憲法裁判所は最近、憲法の条文にある「ナチズム、ファシズム、共産主義などの全体主義的イデオロギーに基づく政党の存在を禁止」に基づき、ポーランド共産党を違法と裁定し、政党登録から削除するよう命じた。

12月3日、ポーランド憲法裁判所は歴史的な判決を下した。ポーランド共産党を違法組織と認定し、政党登録から削除するというものである。この決定は単なる一政党の禁止措置にとどまらず、共産主義イデオロギーを完全に否定する象徴的な行為として、世界の注目を集めている。

裁判官クリスティナ・パヴロヴィッチ(Krystyna Pawłowicz)氏は判決の中で強調した。 「ポーランドの法体系において、共産主義犯罪を美化する政党を受け入れる余地はない。同党は数百万人の死をもたらした犯罪者と共産主義政権を称賛しており、その犠牲者には我々の同胞やポーランド市民も含まれている。」

ポーランド共産党は2002年に設立された。創設者はもともとポーランド共産主義者連盟「プロレタリア」に所属しており、この組織はソ連の支援を受けていたポーランド「統一労働者党」にまで遡ることができる。ポーランドは約50年間にわたり旧ソ連の影響下で共産主義体制の支配を受け、その遺産はいまも国民の記憶に深い傷跡を残している。

5年にわたる法廷闘争を経た禁止措置

2020年、当時の司法部長ジオブロ(Zbigniew Ziobro)氏が初めてポーランド共産党を取り締まる動議を提出したが、その時は却下された。今年11月中旬、ナヴロツキ大統領(Karol Nawrocki)が再び同様の動議を提出した。大統領は「共産主義イデオロギーは基本的人権およびヨーロッパとキリスト教文明の伝統に反している」と明言した。約5年間にわたる法的闘争の末、ついにポーランド共産党は終焉を迎えた。

大紀元のコラムニスト王赫氏は次のように述べている。

「この意義は非常に深遠です。特に現在、ロシアは共産政権を放棄したものの、その多くの要素を受け継いでおり、今回のロシア・ウクライナ戦争もその一例です。これがポーランド人全体に強い反感を抱かせました。国内政治の構図の中で憲法裁判所のこの裁決が現れたのは、まさに未然に防ぐための措置です。これはポーランドが過去の歴史の教訓を深く反省し、非常に警戒していることを示しています。」

東欧に広がる脱共産主義の動き

1989年以降、東欧の各社会主義国家の共産党政権は次々と崩壊し、最終的にソ連が解体、15の加盟共和国が独立した。

ウクライナは2015年に「脱共産化法」を制定し、共産主義やナチズムなどのシンボルや宣伝内容の展示を禁止した。司法手続きの結果、2022年にウクライナ共産党とそのすべての資産を永久に取り締まることが裁定された。リトアニア、ラトビアも法律で共産党活動や共産主義・ナチズムの標章や宣伝を禁止しています。ジョージアなどの国も共産主義組織やシンボルを制限または禁止している。ルーマニアの法律は「共産主義などの全体主義を発起、組織、実施、またはいかなる形で支持する行為」を禁止している。チェコ共和国は2025年7月に刑法を改正し、共産主義の宣伝をナチズムと同等に扱う条文を追加した。この新法は2026年1月1日に発効予定である。東欧全域に広がるこうした動きは、共産主義への明確な拒否と、民主主義・人権の尊重を示す流れである。

かつて社会主義国だったチェコで、共産主義運動の支持等を禁止する刑法改正案が可決

 

中国ネットユーザーの共感と体制批判

12月7日、ある抖音(中国版TikTok)のブロガーがこのニュースを投稿すると、動画のコメント欄では中国のネットユーザーが一斉に称賛した。 「これは本当に心を奮い立たせる。」「邪教は必ず滅びるべきだ。」「世界への福音だ。」「人民を害する邪悪な腫瘍を根絶せよ。」「ついに人民は希望を見た。」

さらに多くのネットユーザーが暗に中国共産党を批判した。 「今まだ二つの太陽がある。一つは北朝鮮、もう一つは…言わなくてもわかる。」「自国民を大切にしない政権は長続きしない。」「違法で悪質な政治組織を断固打撃、よくやった。」「これは人類の癌であり、現代世界の災難の製造者。人類史上最も邪悪な組織だ。」

共産主義が中国にもたらした災厄は計り知れない。大飢饉による人為的惨事、文化大革命による伝統文化の破壊、天安門事件の学生虐殺、法輪功への弾圧、ウイグル人など少数民族や香港への弾圧問題。また、民間資産の略奪、人権の恣意的踏みにじりなど、その悪行は歴史に深く刻まれている。近年では、国外へ脱出を試みる中国人も少なくない。

民心の覚醒と変革の兆し

王赫氏はさらに、ポーランドの判決を扱った動画のコメント欄に寄せられた声が、強い民意を反映していると分析する。「それは中共の支配から解放され、自由を得たいという率直な願いである。ポーランドの出来事を通じて、中国の人々は矛先を中共に向けている。中国は今、歴史的転換の時期を迎えつつある」と述べた。

評論家の周暁輝氏は、「今回のポーランドの決定は世界への警鐘である。世界に害を及ぼした共産主義の毒素を徹底的に排除すべき時が来た」と語った上で、「中共による迫害に苦しんできた多くの中国人にとって、中共崩壊は待ち望まれた日だ。共産主義を放棄してこそ、中国に希望がもたらされる。中共体制が崩壊すれば、ポーランドのように『民族記憶学院』の設立も可能になるだろう。その時、数々の罪悪が白日の下に晒されるはずだ」と指摘した。

自由と人権を守るために 共産主義拒絶は人類共通の選択

共産主義は、政治、経済、法律、教育、メディア、芸術、文化を含むすべての社会分野を転覆させ、人類を支配してきた。今日、我々人類は非常に危機的な状況に直面している。今回のポーランドの決断そして、東欧諸国の脱共産化は、共産主義の本質が人類にとっていかに有害であるかを示している。これは、一国の歴史的清算にとどまらず、全世界への警告である。共産主義を拒絶することは、自由と人権を守るための人類共通の使命である。そしてそれは、未来を選び取る人類共通の選択でもある。

・共産主義とは何かについて:『悪魔が世界を統治している』(九評編集部)

【引用記事】
波蘭取締共產黨 中國網民:邪教必須消滅(新唐人2025年12月10日)

大紀元時報(2025年12月10日)