中国共産党による人権侵害と言えば、ウイグル、チベット、モンゴルなどの少数民族に対する迫害が日本ではよく知られているが、欧米など諸外国では、法輪功学習者に対して23年以上も続く前代未聞の迫害の方が認知度が高く、米下院や米地方議会、さらにEU議会などでは中国に対し法輪功迫害停止を求める決議案が続々と可決されている。
臓器狩りに関しても、2019年6月17日、人道犯罪について第三者による調査と結果を示す「民衆法廷」の中国臓器収奪問題・最終裁定が英ロンドンで開かれ、民衆法廷の議長を務める元検事総長ジェフリー・ナイス卿(Sir Geoffrey Nice)は、中国本土では「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われており、その最大規模の犠牲者は、法輪功学習者である」と述べた。
専門家が台湾へ 注目の臓器狩り禁止法案
4月6日、欧米9カ国の人権専門家14人が中華民国(台湾)を訪問し、立法院の游錫堃院長、人権委員会の王定宇委員長と会談を行った。欧州宗教自由フォーラムの主席は、台湾の信仰の自由はアジアのモデルであると称賛した。また、多くのNGO代表や専門家も、中国共産党の臓器狩りに加担した人物に制裁を課す台湾の法律案に賛同の意を示している。
欧米9カ国の国際人権活動家14人からなる訪問団が台湾に到着し、4月6日、立法院長と会談を行った。 游院長は国会を代表して挨拶し、中国共産党政権に立ち向かい、迫害されている人々のために声を上げた専門家たちに感謝した。
台湾の立法院長・游錫堃氏
「冬が来れば、春の訪れは遠くありません」
「中国共産党は世界を統一し支配したい、世界を一方的に統一し支配したいのです。我々はこの本質を理解しなければなりません。 そのため各国は中国の民主化を推進し、世界が永遠に平和になるための方法を見つけることが大切です」
欧州宗教自由フォーラム、エリック・ルー氏
「台湾は信教の自由という点では世界でもトップクラスで、アジアの模範となる国です」
国連諮問委員会委員に選出されているフランスの人権NPO代表ティエリ・ヴァレ代表は、游氏の発言に対して、同団体は台湾と共通の目標を持っているとし、立法院の推し進める「生体臓器収奪の阻止と撲滅に関する法案」に賛同した。また記者に対し、米国下院が3月に強制臓器摘出禁止法案を可決したことを挙げ、欧州議会も取り組んでいることを紹介し、「国際社会は台湾に倣って、この怖ろしい犯罪の刑事法制を採用すべきだ」と述べた。
宗教の自由を擁護するフランスの非政府組織(CAP-LC)代表、ティエリ・ヴァレ氏
「我々は強制臓器摘出に反対する組織の一員であり、台湾の立法院に非常に重要な法案があることを知っています。国際的には法整備がまだ不十分ですが、これはとても重要な法律です」
「米国下院は法案を可決し、欧州議会も法制化に取り組んでいますが、国際社会全体が台湾のように、生体臓器狩りを犯罪として認識し、立法化に向けて動くことが何より重要なのです」
多数の国際NGO代表や人権専門家が同法案への支持を表明し、また中国共産党による臓器狩りが、最大の被害者グループである法輪功学習者から、より多くの人々に広がっていることに懸念を表明した。 欧州宗教自由フォーラムの秘書長は、「台湾の努力に皆とても驚き喜んでいる」と、台湾の立法化への動きを賞賛している。
欧州宗教自由フォーラム秘書長、ピーター・ズーラー氏
「台湾の立法府の措置に驚きはなく、この法律は必ず必要なことだと思います」
ベルギー拠点の国際人権団体「国境なき人権」代表、ウィリー・フォートレ氏
「これはとても良い提案です。これまでの各種の提唱を立法化したものです。台湾の迅速な行動が、欧州連合とその加盟国、そして北米やその他の国にも波及すると思います」
中国の人権状況を報道する雑誌「ビター・ウィンター」役員、マルコ・レスピンティ氏「この恐ろしい犯罪のために、イタリアを含む自由世界の多くの国が、台湾と同様に、刑事立法の道を歩むことを心から望んでいます」
中国の人権状況を報道する雑誌「ビター・ウィンター」編集長、マッシモ・イントロヴィーニャ氏
「民主主義国家は、移植の分野において、中共といかなる協力もすべきではありません。中共はこの分野で人権侵害の記録があるため、移植の分野では中国との協力関係は避けた方がよいでしょう」
著名な社会学者であるイントロヴィーニャ氏は、民主主義国は臓器移植の分野で中国といかなる協力関係も結ぶべきでないことを念押しした上で、台湾への強い支持を表明した。
イントロヴィーニャ氏
「あなた方、台湾の人々の自由が脅かされ、攻撃されるたびに、私たちも同じように心を痛めます。私たちも台湾人です」
専門家たちは、台湾への支援と未来の希望を表明するために、台湾で人権と信教の自由に関する国際フォーラムを開催することを決めた。
【引用記事】NTDジャパン(2023年4月11日)