最近、インターネット上で北京の多くの検疫所に「われに自由を与えよ,しからずんば死を」「SB予防管理」とスプレーされている写真が多く出回っている。「SB」は中国本土では「誰か(Somebody)」の意味ではなく、北京語の汚い言葉「バカ」のピンインである、とにかく中国共産党(中共)の防疫政策を罵っているのである。
スプレーされたスローガンとは別に、8つの検疫所にはまたそれぞれ異なる漢字がスプレーされた。あるネットユーザーが、スプレーがかけられた検疫所の場所を地図上において8つの検疫所にスプレーされた文字をならべたところ、全文が「三年了,我已麻木了(3年経った、私はもう麻痺している)」であることがわかった。
香港のLIHKGフォーラムのウェブサイトで、ネットユーザーは、「北京人は今、反送中期間中の香港人に倣って字をスプレーし始めているが、この後、北京にレノン・ウォールができるのではないか」と質問した。また、北京人は今、防疫規制の解除のために戦っているだけで、人権や社会正義、民主主義のために戦っているわけではないが、中国本土の人々が自分たちの求めるもののために意識的に戦い始めているのは良いことだと考える人もいる。
※「レノン・ウォール」とは、自由と平和のシンボルとして知られる壁のこと。ジョン・レノンの死を偲び、チェコのプラハの若者たちが壁にメッセージを記していった。
さらに中国本土の街角には監視カメラがたくさんあって、人々は一挙手一投足を監視されている中、あえてスプレーする人は「非常に勇気がある」と指摘する人もいる。
六四天安門事件以来、中共の政策に追随してきた大陸の人々は、今、六四天安門事件当時のスローガン「われに自由を与えよ,しからずんば死を」を掲げている。中共の非人道的な防疫政策がいかに人々に不満を覚えさせているかが見える。