10日発足した第2次岸田文雄政権で新設された国際人権問題担当の首相補佐官に中谷元・元防衛相が起用された。中谷氏は中国を念頭に人権侵害で制裁を可能とする「日本版マグニツキー法」の議員立法を提唱するなど、人権問題を重視する姿勢を示してきた。
政府・与党内では、親中派との指摘もある林芳正氏の外相起用で中国に対して誤ったメッセージを与えかねないと懸念する声もあっただけに、バランスをとった人事との評価が出ている。
岸田首相は9月の自民党総裁選の時から、人権問題担当補佐官の新設を目玉公約の一つに掲げていた。中国への経済依存度が高い日本は、新疆ウイグル自治区での強制労働や人権侵害などの問題について、欧米諸国と比べ対応が慎重にならざるを得ない経緯があったためだ。
中谷氏は防衛相や自民党安全保障調査会長、人権外交議連共同代表を歴任したほか、対中強硬派で知られる米マルコ・ルビオ上院議員や英イアン・ダンカン・スミス議員らが参加する国際超党派議連「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の日本共同代表も務めている。
また、4月に発足した「人権外交を超党派で考える議員連盟」の共同会長も務め、外国で起きた人権侵害に制裁を科す「日本版マグニツキー法」制定の必要性を訴えている。
マグニツキー法は米国が2012年に制定した法律で、人権侵害をした個人や組織を対象に資産凍結やビザ発給制限などの制裁を科すことが目的。その後、英国やカナダ、EUなどの国々も同様の法律を制定している。
岸田首相は10日の記者会見で中谷氏の起用について「外交のみならずさまざまな課題において普遍的な価値や自由、民主主義とともに人権をしっかり重視しながら取り組みを進めていく基本的な方針は大変重要」と説明した。
中国共産党による全ての人権弾圧を念頭にすべき!
岸田首相や中谷人権担当補佐官は、中国での人権弾圧として、ウイグル人や香港、チベット、モンゴルなどを念頭に置いているようだが、中共による人権弾圧はそれだけではない。
このブログでも再三取り上げてきたが、実は、今世紀最大の人権侵害は、「法輪功(気功)への弾圧」だ。
1999年、当時の国家主席・江沢民は、法輪功への高まる人気に嫉妬し残虐な弾圧を発動した。しかも、弾圧を正当化するために、あらゆる手段を使って国内外へ捏造した情報を流し、徹底的に法輪功を悪者に仕立て上げた。この迫害の実態を暴露しようとした、国内外の法輪功学習者以外の善良な人々や議員らも同じく人権侵害に遭っており、特に、法輪功学習者を助けるために立ち上がった人権派弁護士らは、法輪功学習者と同様の迫害を受け、いまだに消息が分かっていない。
これは、全世界の人々が巻き込まれた前代未聞の残虐さと規模の迫害だと言える。
中国共産党は迫害の事実を隠蔽しようとしているが、迫害を受けた法輪功学習者の酷すぎる写真や動画、幸せだった家族がバラバラにされ孤児になったと言う実話、強制収容所で集団レイプを受けた法輪功学習者が米国の議会で証言したと言う記事など、ネットで検索すれば動かぬ証拠を容易に確認できる。
欧米や世界各国では、法輪功への迫害について、中国共産党にしっかりと「NO」を突き付けた決議を採択している。また、江沢民やその他の法輪功迫害の元凶らは、すでに世界で40を超える国々から「人道に反する罪」と「集団虐殺罪」で訴えられている。
しかし、日本政府は未だ沈黙している。言葉では言い表せないほど残酷で世界中の人々が巻き込まれている迫害が隣国中国で22年にも及んでいるのに・・・。
日本政府も欧米諸国と足並みをそろえ、法輪功迫害の実態を正確に把握し、蛮行を続けている中共に対して「NO」を突き付け、迫害停止に向けた断固とした態度が求められる。
岸田内閣にて新設された人権担当補佐官が、法輪功迫害を含めた全ての中国共産党による人権弾圧に対してどのような態度を示すのか今後の動向が注目される。
【引用記事】
・ロイター「アングル:人権担当に中谷氏、外相人事の「親中」払しょく狙う」
・大紀元「岸田首相、中谷元氏を人権問題担当補佐官に起用との意図伝える 中国問題を念頭」
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