大紀元(2021年3月23日)によると、人権NGO「中国での臓器移植濫用停止国際ネットワーク(ETAC)」は21日、中国の臓器強制摘出に関する7分半あまりの短いアニメーションを公表した。ETACは、中国では収容者が需要に応じて臓器を摘出され殺害される「オンデマンド移植」が行われていると指摘し、国際社会は人権保護のために、中国移植関連組織との繋がりを断ち切るべきだと呼びかけている。
映像は中国の特殊な臓器移植の流れについて紹介している。日本や米国を含む多くの国々は通常、ドナーを検査し、血液型等から移植希望者の待機リストから適合者を探す。そのため待機時間は数年に及ぶこともある。一方、中国は「逆マッチングシステム」であり、移植希望者に合致する囚人を殺害し、臓器を摘出する。中国当局は殺害のタイミングに合わせて、腎臓、肝臓、心臓など複数の臓器の移植をまとめて行うこともあり、その場合複数人の移植希望者が手術日程を予約する。
このようなシステムがあるため、中国で移植を待つ待機リストに載っている人々は、手術費を先払いしている。「倫理に基づく臓器供給の仕組みではありえない、オンデマンド(需要に応じた)移植手術だ」とETACのビデオは説明している。
1999年、中国で、法輪功(気功)の学習者に対する迫害が始まると、臓器移植の件数は以前の数倍に膨れ上がり、全国で移植病院が700あまり乱立した。近年では、新疆ウイグル自治区で拘束された多数のウイグル人が臓器移植の強制的なドナーになっていると、複数の人権団体や専門家が指摘している。
法輪功学習者に対する弾圧と殺害、そして強制的な臓器移植の背後には、江沢民氏の直接的な指示があるという。ETACは動画のなかで、この問題を長らく中国全土で調査を行うNPO「追査法輪功迫害国際組織(WOIPFG)」による音声データを紹介している。中国人民解放軍総後勤部の元衛生部長である白書忠氏は2014年9月、調査員との電話のなかで、江沢民・元中国共産党総書記が法輪功学習者から移植用臓器を摘出するよう指示したと明らかにした。
・What is Forced Organ Harvesting in China? (2021)
あとがき
アニメーションは英語版なので、日本語字幕のものでも公表されるのを期待したい。