香川県東かがわ市で進められていた中国の外国語学校の拠点化計画が、住民の反対により撤回された。中国共産党による経済面での侵略の手口の一つが、「土地買収」だ。歴史を振り返れば、ウイグルやチベットでは当初、中国側が平和裏に土地を買収し、その後、中国軍の拠点にされた事例がある。日本では、外国資本による買収にほとんど制約がなく、用途も不問であるため、今後も他の地域で同様の事態が起きかねないという。
中国共産党が自衛隊や米軍基地の周辺の土地や北海道の水源地を買いあさっているとツイッターなどのSNSで見かけるようになった。実は、外国資本による土地買収を懸念する声は20年ほど前からあったという。2010年に、北海道議会が政府に提出した意見書には以下のような記述があった。
「我が国における現行の土地制度は、近年急速に進行している世界規模での国土や水資源の争奪に対して無力であると言わざるをえない」
政府が土地取引の制限を検討
加藤勝信官房長官は2020年10月26日の記者会見で「法的措置を含め新たな制度を導入することも念頭に必要な検討を進めていく」と述べた。取得制限の対象は自衛隊の基地や原子力発電所など重要施設周辺の土地を想定する。
日本には安全保障上の懸念がある地域でも外国資本による土地取得の規制はない。外国人であっても自由に所有できる。外国人が土地を所有できる国はアジアでは珍しい。共産圏である中国、ベトナムなどは外国人の土地所有を認めていないし、韓国、インド、シンガポールなどでは土地の所有は可能だが、いずれも条件つきとなる。
【引用元】外資の土地取得を制限する法整備。水源地買収はどうなる?
日本政府もようやく動き出したが、実際、中国共産党の浸透具合はどのようなものなのか・・・
香川県 住民が中国の外国語学校の拠点化計画を阻止
ニュースサイト、ザ・リバティWeb2020年3月30日の記事によると、香川県東かがわ市で進められていた中国の外国語学校の拠点化計画がこのほど、住民の反対により撤回された。人口約3万人の同市は、2018年から中国の「北京市海淀外国語実験学校」(以下、海淀校)と交流を重ねてきた。この中で、同市が海淀校に対し、2020年3月31日をもって閉校となる市立福栄小学校の土地・建物を無償貸与する計画を水面下で進めていた。実際に、市議会は2018年と2019年に、議会視察として北京市にある海淀校を視察している。
市民に知らされていなかった計画
この計画について、2019年12月の市議会で、幸福実現党の宮脇美智子市議が一般質問を行った。宮脇市議は、海淀校の理事長や校長ら4人が同年11月、東かがわ市を訪れ、予定地の視察を行っていたことを取り上げ、「学校の計画についてはまったく知らされていないが、計画の全体像と進捗状況、市民への公表はどうするのか」などと質問した。
宮脇市議の一般質問の後、市民から、情報開示を求める声が噴出。ようやく2020年2月に、地元説明会が行われた。
しかしこの説明会が、計画推進を前提とした一方的な事後報告会だったとして、市民からなる「福栄の将来を考える会」が拠点化に反対する署名活動を緊急で行ったという。
集まった反対署名は3800筆、市長は計画を断念
また、「住民と外国人の間でトラブルが発生したらどうするのか」「外国の学校が拠点化されることにより、外国資本による周辺の不動産買収が誘発される心配がある」などの住民側の不安について、市は一切責任を取れないという姿勢だった。
こうした中、2020年3月11日までに反対署名が3802筆となった。そのうち、拠点化の該当地域にあたる福栄地区と五名地区では、住民の過半数の署名が集まった。
反対署名は12日に市長宛てで提出。18日の市議会で、宮脇市議が計画について2回目の一般質問に立ったところ、市長は「先方にお断りし、中止する」と答弁を行った。
学校行事で人民解放軍の軍服を着る学生たち
中国の学校誘致などを考える際に注意すべきは、中国の学校はほぼすべて中国共産党の指導の下にあり、「自由な教育が行える環境にはない」ということだ。
中国では2016年に、義務教育期間の1年生から9年生を対象とした営利目的の私立学校の運営が禁止されており、インターナショナルスクールに対しても、中国に特化した科目を教えるよう指示が出ている例がある。海淀校は私立だが、「北京市海淀人民政府に承認されている学校」だ。
また、海淀校のウェブサイトには、「国防教育」の一環として、人民解放軍の軍服や、準軍事組織の人民武装警察部隊(通称:武警)の制服を着た生徒の写真が掲載されており、軍と強いつながりがあることがうかがえる。
【関連動画】DHC虎ノ門ニュース(2021年1月5日)