「人間性を喪失させる」…今なお続く中国共産党による薬物迫害 

人権

中国共産党(中共)による法輪功学習者への残酷な迫害は、今現在も続いており24年に及ぶ。中共は薬物迫害や人体実験を繰り返し、自らの信念を貫く学習者を心神喪失や死に追いやってきた。ここでは広範囲かつ長期にわたって行われている薬物迫害について取り上げる。

法輪功は1992年中国で伝え出された気功で、宗教や政治に関与することはなく、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。しかし、当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、1999年7月20日に法輪功に対する弾圧を発動し、法輪功学習者に対して「名誉を汚し、財力を奪い、肉体を消滅させよ」と中国全土の政府機関に密命した。

(本記事にはショッキングな文章表現や画像が含まれます)

凶悪な薬物迫害 人間性を喪失する人体実験

法輪功情報サイト「明慧ネット」によると、2021年12月27日まで、中国で少なくとも865人の学習者が法輪功を止めることを拒否したため、精神病院で薬物や人体実験の迫害を受けた。強制的に投与された薬物により多くの学習者が精神異常をきたし、内臓を損傷し、死亡した。中には10年以上薬物で迫害された学習者もいる。しかし、国家主導の迫害実態を把握することは難しく、この数字も氷山の一角に過ぎない。

中枢神経を破壊する不明な薬物を投与された学習者のなかには、全身のけいれんや胸と腹が膨むなどの異常をきたし、壁に頭をぶつけるなどしてもがき苦しむ者もいるという。

学習者の尹麗萍さんは、2000年に収容された悪名高い馬三家労働教養所で受けた薬物迫害について、中国に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)の公聴会で証言した。

尹氏によれば、2カ月以上にわたって得体の知れない薬物を毎日2~3本ずつ投与され、一時的に視力を失い、内分泌障害などを患った。のちに公式登録されていない超法規的な収容施設、いわゆる「黒監獄」に移され、男性受刑者に輪姦され続けたとも語った。

学習者の張付珍さんは山東省平度市法輪功迫害機関「610弁公室」の洗脳班で強制的に不明な薬物を投与された。直後に狂ったようにもがき始め、そのままベッドの上で悶え苦しんで死亡した。その場に居合わせた610弁公室の関係者らは、これらの一部始終を見ていたという。薬物を投与される前にも警官によって服を剥ぎ取られ、すべての頭髪を剃られ、拷問されていた。

山東省莱陽市出身の柳志梅さんは2002年、法輪功を学んでいるという理由で懲役12年の不当判決を下された。数々の拷問手段を用いても転向しない柳さんに警察は精神疾患患者用の薬物を毎日3種類、注射し迫害を強化した。2008年に釈放されたものの精神喪失状態に陥り、2015年に35歳の若さで死亡した。

明慧ネットによれば、柳さんに投与された3種の薬剤はクロザピン、スルピリド、バルプロ酸ナトリウムだという。これらは統合失調症、双極性障害を患う人に投与される。

柳さんは高考(全国共通の大学入試)で山東省トップの成績を納め、清華大学化学工程学科に入学する才女だった。最も迫害が厳しかった2000年代、同大学では少なくとも35人が当局に連行された。

【引用記事】大紀元(2023年3月24日)