NPO法人「難病患者支援の会」(東京)が仲介した海外での生体腎移植で臓器売買が行われた疑いがある問題で、同会は1月11日、「2023年活動方針」などと題する文書をホームページで公表し、海外での移植を希望する新規患者への対応を3月末で終了すると表明した。
NPOは過去の活動について、「中日友好協会を通じて中国各地の移植センターへ医療器具やリハビリ機材を贈呈し、レシピエント(移植希望患者)を中国へ案内するだけではなく中国の移植医療向上のため学術交流を積極的に実施してきた」と回顧した。
読売新聞や東京新聞などは同NPOについて、仲介した海外での生体腎移植手術で売買された臓器が使われた疑いがあると報道していた。
今回のNPOの発表は、日本移植学会を含む5学会による渡航移植の決別表明から約2週間後に出された。声明は、移植臓器は国内で極力調整するよう合意した国際宣言「イスタンブール宣言」を受けたもの。
国連人権調査官や人権団体による中国臓器収奪問題の報告を受けて、国際的にも渡航移植に関する法規制が整う。英国やカナダ、イタリア、イスラエル、台湾では犯罪性が危惧される渡航移植を規制している。
【引用記事】
・大紀元 https://www.epochtimes.jp/2023/01/132076.html
・東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/206494?rct=medical_health
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不透明な臓器取引、根絶へ声明 日本移植学会など5学会
日本移植学会など5学会は2022年12月27日、自国のドナー増加を求める「イスタンブール宣言」に基づき、海外での不透明な臓器移植の根絶を目指す共同声明を発表した。海外で金銭を支払って臓器売買する移植ツーリズムの禁止や、海外での臓器取引のリスクや違法性などを各学会の医師らに周知するという。
5学会は日本移植学会のほか、日本臨床腎移植学会、日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会。1997年に臓器移植法が施行されたものの、国内のドナー不足は続いており、患者が海外で臓器売買が疑われる移植手術を受ける例も報告されている。
各学会は声明を踏まえ、海外移植の法的・倫理的な問題点について医師や患者に周知する方針。日本臨床腎移植学会の剣持敬理事長は「学会内でもイスタンブール宣言を知らない人がいる。次世代に倫理的な問題を教育していきたい」と話している。
【引用記事】時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122700826&g=soc