米国務省:中国共産党に法輪功迫害の即時停止を要求

人権

1999年7月20日は、中国共産党(中共)による法輪功への全国的な迫害が始まった日。この日を前に、米国務省の報道官は『大紀元』に対し、「中共は26年以上にわたり、法輪功学習者およびその家族に対して過酷な迫害を続けてきた。我々は改めて、中国共産党に対し、法輪功への迫害を終わらせるよう求める」と述べた。

また、最近ではアメリカでも法輪功学習者に対する迫害が深刻化していることを受け、米議会は中共に対して断固たる姿勢を示している。

中共による法輪功への迫害の実態
法輪功は、1992年中国で伝え出された気功で、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、当時の中国政府も推奨し、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。ところが、当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し中国共産党を利用して、1999年7月20日に法輪功に対する弾圧を発動した。しかも、この弾圧を正当化するために、あらゆる手段を使って国内外へ捏造した情報を流し、徹底的に法輪功を悪者に仕立て上げた。中国共産党による法輪功への前代未聞の迫害は現在も続いており、不法逮捕や拷問、強制労働、性的虐待、集団レイプなど更には生体臓器狩りという国家犯罪にまで及んでいる。

米国の法整備と議会の動き
こうした状況を受け、米国では人権擁護の動きが強まっている。米下院は2025年、「法輪功保護法案」と「臓器収奪阻止法案」の2本の法案を可決し、さらに5つの州でも関連法が施行された。両法案は現在、上院での審議を待っている。 

内部告発と研修医の死
スコット氏はまた、最近死亡した中国人研修医・羅帥宇氏の事例にも言及した。羅氏は中南大学湘雅二病院での研修中に転落死している。死後、羅氏のPCから病院の不正を告発する資料が発見され、臓器摘出の違法行為を告発しようとしていたとされる。羅氏の家族は1万ページ以上の証拠を公開し、真相解明を求めているという。

「中国政府に対して、我々はこうした行為を決して容認しないという姿勢を明確に示す必要がある」とスコット氏は訴えた。

マルコ・ルビオ氏の支援
前回の議会で「法輪功保護法案」を提案し、現在は米国務長官を務めるマルコ・ルビオ氏も、法輪功への弾圧に一貫して強く反対してきた。ルビオ氏は2024年に、「中国共産党は長年にわたり悪質なキャンペーンを展開してきた。米国はこれを決して容認しない」と述べた。

また、ルビオ氏は5月、下院外交委員会の公聴会で、「臓器収奪阻止法案」の成立に向け、国務省としても「あらゆる支援を惜しまない」と発言している。

米本土にも波及する弾圧

最近ではアメリカでも法輪功学習者に対する迫害が深刻化している。背景には2022年、習近平による指示があるとされ、中共の国安部が対外工作を主導。SNSやメディアを使ったデマ拡散や、訴訟・捜査の濫用が報告されている。

特筆すべきは、神韻芸術団に対する妨害工作。中共のエージェントが米IRS職員の買収を試みたが、FBIの捜査により未遂に終わった。

2024年以降、米国内では140件以上の脅迫行為が確認されており、爆破予告や暴力による威嚇が相次いでいる。ジョン・F・ケネディ・センターでの公演初日にも爆破予告があり、ホワイトハウスは直ちに非難声明を発表した。

米議員の断固たる姿勢

米下院外交委員会の元委員長、マイケル・マコール議員は、こうした攻撃的な行為は中共の本質を示していると指摘した。マコール氏は『新唐人テレビ』に対し、「彼らは法輪功を憎んでいる。共産主義以前の中国を語る人々を憎悪しているのだ」と語った。

7月17日にワシントンで行われた法輪功の集会について、メリーランド州選出のジョニー・オルシェフスキー下院議員は、「こうした人権侵害を告発し、平和的に立ち向かう人々に感謝したい」と述べ「人権の観点から見ても正当な行動であり、長期的にはアメリカの国益を守るうえでも不可欠だ」と語った。

人権重視の貿易戦略へ

米議会では現在、中国の人権問題に対処する手段として、「貿易を外交上の圧力手段として活用すべきだ」との声が高まっている。アラバマ州選出のトミー・タバービル上院議員は、「すべては人権を中心に考えるべきだ」と述べ、貿易政策の戦略的活用を強調した。

ニュージャージー州選出のクリス・スミス下院議員もこれに同調し、「中国のような輸出依存型経済に対して、貿易こそが我々の最も有効な交渉手段だ」と述べた。スミス氏は大紀元の取材に対し、「意志さえあれば道は開ける」と語り、「人権を理由に中国製品が米国市場で売れなくなれば、中共政権は方針転換を迫られるはずだ」との見方を示した。

【引用記事】(大紀元 2025年7月17日
【関連記事】中国共産党による越境弾圧の実態 手段を問わない法輪功攻撃