ロシアのウクライナ侵攻で未だ帰国できぬ中国人、 台湾人と明暗分かれる

時事
3月3日、ウクライナ当局は、東部ハリコフでロシア軍の砲撃などにより、2日からの24時間で民間人34人が死亡したと発表した。写真はハリコフの国立大学で消火活動を行う消防士ら。2日撮影(2022年 ロイター/Oleksandr Lapshyn)

ロシアのウクライナ侵攻を受け、各国政府が自国民をウクライナから退避させるなか、中共は自国民への退避支援はできないと表明したため、現地の中国人は自力で対処するしかないという。一方、台湾は自国民の退避を支援しており、現地の一部台湾人はSNSを通じて、台湾外交部が現地台湾人を大型バスに乗せてポーランドまで送り届けたと明かした。

 

ロシアとウクライナが戦争に突入する前、中共は自国民を退避させるためにチャーター機を準備すると公言していたが、実行する気配は見られなかった。

范先栄中共駐ウクライナ大使は2月26日、10分間の動画を発表し、インターネットに広まっている自身が逃げたとの情報はデマだと話した。その後中共を賛美し、中国人に対し「祖国はあなたのそばにある。大使館はあなたに寄り添っている」と語りかけた。

しかし、実際の行動に話が及ぶと、「安全面の条件が保証されれば、みなさんの安全は保障される。我々は適切な段取りをする。だが十分な条件が整ってからだ」「よって我々は安全になってから退避しなければならない」と口を滑らせた。ネットユーザーはこれに対し「安全になるまで待てば、もう逃げる必要はないのでは?」と疑問を呈している。

2月28日、中共駐ウクライナ大使館ウェブサイトは通知2件を連続で発した。一つ目は、困難に直面しているウクライナの中国人に手を差し伸べるよう国民に呼びかけるもので、もう一つは、中国人が自力で退避する道を見つけられるよう、彼らに「退避ルート」を提示したものだった。

この二つの通知の内容は、中共自身は彼らに「手を貸さない」ことを示しており、現時点でウクライナ在住の中国人は民間での相互支援と自助努力に頼るしかない状況に置かれている。

これに対し、台湾は自国民の退避を滞りなく支援した。現地の一部台湾人はSNSを通じて、台湾外交部は現地台湾人を一人ずつピックアップして、台湾国旗を掲げた大型バスに乗せてポーランドまで送り届けたと明かしている。

しかし、この台湾の情報はウェイボーやウィーチャットでは中共当局から討論が禁止されている。中国のネットユーザーは、「数日前に自画自賛していた時には台湾人は我々の飛行機に乗ればいいと言い、それだけではなく、台湾人は我々の飛行機にただで乗るんじゃないぞと罵りもした。だが、彼らは自分たちでバスに乗って行ってしまった。我々の国民はまだあそこにいていつ帰って来られるかもわからない」と皮肉を込めて投稿している。

それだけでなく、中共当局の親露反ウクライナ姿勢は、ウクライナから出られない6000人以上の中国人を危険にさらしている。中国国内の民族主義的ネットユーザーがウクライナの女性を侮辱したことで、ウクライナ人の間で強烈な反中感情が沸き起こったためだ。

【引用記事】
・NTDジャパン https://www.ntdtv.jp/2022/03/55447/

 

在ウクライナ中国大使館、自国留学生を「全く支援せず!」

中国人の女子留学生がこのほど、在ウクライナ中国大使館との通話録音を公開し、まったく支援されないことを明らかにした。

ウクライナに滞在している中国人の女子留学生が、現地の中国大使館に助けを求める録音がこのほど、中国のソーシャルメディアで話題となっている。

同学生は「心が折れそうだ。大使館に数え切れないほど電話をかけたのに、100回かけて1回だけ出てくれたが、電話に出た大使館の担当者に叱られて、電話を切られた。本当に怖くて国の助けが必要だ」と語った。

大使館の担当者に、今の状況は比較的安全なので、自力で避難するようにと言われた同学生は、「つまり、全く(何の支援)措置もないだろう、自力で避難しろだなんて、国が常に私たちと共にいると、毎日ウェイボー(微博、Weibo)で投稿している人たちがどこにいるのか」と激怒した。「乗せてくれる車が全くない、自力でどうやって国境まで移動できるのか。大使館の支援はどこにあるのかわからない」

大使館側からは、大規模に撤退する安全条件はないため、自力で国境に行くか、あるいは大使館が手配する撤退を待つなら、物資を買って待つことになるが、時間は確定できず、戦局の事態次第だ、と言われた。同学生は「国の方針は自力で避難することだが、道中の安全は誰が責任を負うのか」と嘆いた。結局、彼女は何の助けも得られなかった。

【引用記事】看中国 https://www.visiontimesjp.com/?p=31612