国連人権理事会で非難される中国 習氏、国内向け「イスラム教の中国化」を指示

人権
2月27日、ジュネーブの国連人権理事会で撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)

欧州連合(EU)や英、オーストラリア、カナダなど西側諸国は25日、国連人権理事会で中国に対し、香港の基本的な法的権利を回復するとともに、新疆ウイグル自治区での調査を受け入れるよう要求した。国連の「ジェノサイド防止・処罰条約」に違反していることを認めず、習氏は中国国内に向けて、ウイグル族同化政策の強化を指示したもよう。

国連のジェノサイド防止・処罰条約

ジェノサイドとはもちろん「殺人」であるが、国連では次のように定義している。

「集団構成員に重大な肉体的または精神的な危害を加えること」
「集団の肉体的破壊を意図した生活条件を故意に課すこと」
「出生の阻止を意図した措置を課すこと」
「集団の児童を多集団へ強制的に移動させること」

この条約は、1948年12月9日、国連第三回総会決議260A(III)にて全会一致で採択され、1951年1月12日に発効された。
2019年の時点で、152ヶ国が条約に批准。最近では2019年7月8日にモーリシャスが加盟。ドミニカ共和国は署名したものの条約を批准していない状態にある。日本は署名すらしておらず、人権問題にかなり疎いことがわかる。(ウィキペディア「ジェノサイド条約締約国一覧」より)

ジェノサイドの定義は、現在、中国国内で、法輪功(気功)、ウイグル人、チベット人、モンゴル人などを標的に中国当局が行っていることがすべて当てはまっている。

西側諸国、国連人権理事会で中国非難 香港・ウイグル問題で改善要求

[ジュネーブ 9月25日 ロイター]によると、欧州連合(EU)や英、オーストラリア、カナダなど西側諸国は25日、国連人権理事会で中国に対し、香港の基本的な法的権利を回復するとともに、100万人以上のウイグル人が拘束されている新疆ウイグル自治区での調査を受け入れるよう要求した。

英国は、香港国家安全維持法(国安法)が「反対意見の排除という明白な意図を持って実施されている」と指摘。一部の事例について中国本土での訴追が認められており、司法の独立性や法的手続き、拷問の報告などが憂慮されると述べた。

ドイツはEUを代表して発言し、新疆ウイグル自治区における「政治的再教育収容所の大規模なネットワークの存在、広範囲に及ぶ監視、ウイグル人など少数民族の宗教や信仰の自由に対する体系的な制限」に懸念を表明した。

これに対し、中国側は、西側の主張は「根拠がない」と否定した上で、中国はウイグル人を虐待しておらず、収容所では職業訓練を行っており、過激派との闘いに必要だと強調した。

バチェレ国連人権高等弁務官は先週、新疆ウイグル自治区への訪問の可能性について中国当局と協議していると明らかにした。

習氏「中華意識徹底」指示 ウイグル族同化政策―中国

西側諸国の非難に対抗して、習氏は反論すべく、イスラム教徒の少数民族ウイグル族に対する同化政策の強化を国内に指示したもよう。

【北京時事】中国国営新華社通信によると、新疆ウイグル自治区の統治政策を協議する重要会議「中央新疆工作座談会」が25、26日に開かれ、習近平国家主席は、イスラム教徒の少数民族ウイグル族に対する同化政策の強化を指示した。習氏はウイグル族に教育を通じて「中華民族の共同体意識を心に深く植え付けさせるべきだ」と述べ、「イスラム教の中国化」を改めて求めた。

あとがき

・「駐英中国大使、BBCでウイグル人の強制収用否定

7月20日の上記BBCの動画では、駐英中国大使・劉暁明氏が「中国はもちろん、いかなる民族に対しても、一切の拷問や迫害や差別に反対します。中国でそんなことは起きていません。中国政府の方針は、中国におけるすべての民族は平等に扱われるというものです。」と述べた。

ここまで、嘘で固めて通用すると思っているのだろうか?国際社会はそこまで甘くない。人命にかかわることなので、一刻も早く迫害を受けている人々を解放して、自由にして欲しいと思った。