中国共産党のプロパガンダを打破! 白紙革命で目覚めた中国人留学生たち

時事

中国共産党にとって、これまで海外の中国人留学生はかなりの戦力でした。近年、欧米諸国の情報機関は、中国人同窓会、中国商工会議所、中国人留学生協会(CSSA)などの組織が、中国共産党政権のために動いていることを認識し始めました。これらの組織の多くは現地の中国大使館や領事館から資金援助を受け、海外の中国人留学生を監視しています。その上、中国人留学生たちも欧米諸国にその価値観(共産主義)を輸出し、中国共産党に操られていたのです。

その具体例として、香港で度々起きていた民主化運動に、率先して邪魔をしていたのが中国人留学生たちでした。2019年8月カナダ・トロントで、香港の留学生たちによる「逃亡犯条例改正案に反対、民主化推進」の集会では、中国本土の留学生たちが中国国旗を飾った高級車に乗って集会の邪魔をしていました。

中国本土の留学生たちの考え方は、中国共産党が植え付けたイデオロギーと完全に一致していました。そのため中国人留学生が香港の留学生に暴言を吐いたり、その抗議活動を邪魔することが頻繁に起こりました。

しかし、2022年11月に中国本土で勃発した「白紙革命」が海外に広がる中、驚くことに、多くの中国人留学生が「共産党は退陣せよ!」と叫びました。

香港やウイグル人の抗議デモに対して、かつては中国共産党政権の弾圧に同調する姿が見られていましたが、今回は小粉紅(未熟な共産主義者の意味)も反共産主義に転じました。

・ロンドンの中国大使館前でのロックダウン解除を求める抗議活動

「これは新彊ウイグル自治区ウルムチ市の火災被災者への追悼とゼロコロナ政策への抗議活動です。防疫措置により、非常口が塞がり、消防車はバリケード等により火を効率的に消すことができず、結果的に多くの人々が命を落としてしまいました。」

 

・オーストラリアのシドニー(2022年11月28日)の抗議デモ
「民主は決してなくならない!」と叫んでいる。

「30年前、戦車は市民や学生を鎮圧するのに使われました。30年後、政府は再び同じように市民を鎮圧しています。中国人は政府が行ったことを決して忘れてはならず、私たちは立ち上がって「No!」と言わなければならない。」「自由、自由、自由! 言論の自由、民主と法治。PCRは要らない、選挙が欲しい!」

・カナダ・トロントの抗議者(2022年11月29日)
「同級生たちよ、私たちの国民そして勇敢な抗議者たちは、中国本土で恐ろしい状況に置かれています。彼らは逮捕され、拷問され、殴られ非人道的な扱いを受けているのです。だから、私たちは容認できないのです」

これは中国共産党にとって、非常に厄介なことです。これまで中国共産党は長年にわたる留学生に対する洗脳プロパガンダでかなりの成果をあげていました。中国共産党と中国を同一化し、ナショナリズムを煽られると衝動的になっていました。

米国の大学に通う約1,000人の中国人留学生を対象にした最近の調査で、調査対象者の90%以上が現在、中国共産党の厳しい監視を受けており、ソーシャルメディアでWeChatをオンラインコミュニケーションの主要手段として利用していることがわかりました。これらの中国人留学生のほとんどは1989年6月4日の天安門事件以降に生まれ、中国共産党のプロパガンダの下で育ちました。留学に行ってもある程度精神的にコントロールされています。彼らの目覚めは「脱党ブーム」と何らかの関連があるかもしれません。

「脱党」とは中国共産党及び関連組織から脱退することです。

大紀元時報が2005年に『共産党についての九つの論評』を出版してから、大紀元の公式サイトで脱党を宣言する中国人が、2022年の時点で4億人を超えています。

九評共産党(共産党についての九つの論評) 台湾の李登輝元総統推奨

 

毎年12月10日は「世界人権デー」で、今年はカナダの5つの都市と英国のロンドン、オーストラリアのシドニーやメルボルン、ドイツのベルリンなど複数の都市で中国人留学生を中心とした団体が抗議活動を行いました。集会に参加した留学生の一人はその心境の変化について、次のように語りました。

「中国社会の現実と中国政府の宣伝に多くの矛盾があることをコロナ期間に経験したことによって、考えさせられた。社会のことをもっと理解しようと多くの本を読み、ドイツに関する本を読んだところ、現在の中国が第二次世界大戦前のドイツと極めて似ていることに気づいた。中国共産党が系統的に中国人を洗脳し、自主的な思考ができないようにしてしまった。」
このことに気づいた彼は、抗議集会で「私は目覚めた!」と叫んだと言います。