大紀元(2020年11月5日)によると、米ホワイトハウスは10月30日、「中国ではなく米国人が第一」と題した声明を発表し、トランプ政権が歴代政権の対中宥和政策を転換したと改めて強調した。
それによると、過去40年間、中国共産党(以下、中共)は国際貿易ルールを破り、米国の技術を盗み、米国経済全体を破壊してきた。歴代の両党の指導者は中国共産党の問題に対応しなかったと指摘した。
「米国の大企業やいわゆる『専門家』は、中共の人権侵害や言論弾圧に目をつぶっている。ワシントンの政治家たちは、米国市場を中共に開放すれば、中共は豊かになり強くなるにつれて、責任ある地球市民になると主張していた」「彼らは間違っていた。トランプ大統領のもとで、米国は中共に反撃している」
声明は、米国経済はトランプ大統領の下で成長していると強調した。米国がより強くなることで、中共を含む「敵」に立ち向かうことができるとした。トランプ大統領は中共に対し、関税引き上げなどの措置で、不公正な貿易慣行を是正するよう強い圧力をかけた。トランプ大統領は中共を交渉のテーブルに引き戻し、第1段階の貿易協定を締結した。
国家安全保障に関しては、トランプ政権は国連をはじめとする国際機関への中共の影響力やプロパガンダ活動に対抗してきた。米政府は、ファーウェイなど中共に支配・所有されている企業に制裁措置を講じ、少数民族ウイグル族への弾圧や人権侵害に関与したとして、中国企業11社を制裁対象に指定した。
声明は最後に「米国は世界で最も強い国である」として、中共が擁護するマルクス・レーニン主義的イデオロギーとは対照的である、言論の自由は守らなければならないと主張した。この言葉は、オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)が外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)」に寄せた文章から引用されている。
トランプ政権は中国問題を、米国の国家としての発展や存続にとって極めて重要な問題の一つに引き上げた。ホワイトハウスは投票日前日の11月2日、大統領と高官らによる対中政策についての演説集『トランプ大統領の中国観:米国を第一に(President Trump on China: Putting America First)』を公表した。
これらの中には、マイク・ペンス副大統領の対中演説のほか、6月から7月にかけての対中国および共産主義に対して強硬派の4高官であるロバート・オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官、クリストファー・レイFBI(連邦捜査局)長官、ウイリアム・バー司法長官、マイク・ポンペオ国務長官の演説が含まれる。さらに、マシュー・ポッティンジャー大統領副補佐官による5・4運動に関する中国語演説もまとめられた。
トランプ政権は、中共政権の台頭に直面し、こうした対中政策を推進することで、この脅威から米国と同盟国を守るための行動を継続していくことを改めて表明した。