深刻な食糧危機のもと、中共国家統計局は8月19日、今年の早稲米(わせまい)は昨年より100万トン増加したとのデータを発表したが、江西省のある農業研究者は、中国全土で疫病や洪水災害、蝗害などが続出しているのに、どうして食糧が増産するのかと疑問を呈している。
その一方で、中共はアフリカに3万トンの穀物を援助するとして8月18日に船積みの準備ができたと明かし、その他に8月13日、内モンゴル政府がロシアに対し163トンの米を寄付することを決定し、船積みされるところだと中新網が報じた。
洪水による被害は甚大で、三峡ダムの放水により、周辺地域の道路や家屋は浸水し、車や店の商品が流されたり、農場では多くの豚や牛、羊といった家畜が流されたりした。
中国の食糧危機はますます深刻化するもよう。ある独立研究者は、「中共は庶民の生死など気にしない。食糧を備蓄し、貯えがあれば憂いなしということを覚えておいてほしい」と促している。
疫病に洪水に蝗害…それでも「100万トンの増産」を宣言する中国政府
【NTDTV(2020年8月23日)】
深刻な食糧危機のもと、習近平国家主席は「食べ物の無駄を止めるための法律の強化」を要求し、中共食料・物資備蓄局も小麦の購入量が938万8000トン減少したと発表した。一方、中共国家統計局は8月19日、今年の早稲米(わせまい)は昨年より102万8000トン増加したとのデータを発表したが、疑問の声も上がっている。
8月19日、中共国家統計局は公式サイトで2020年早稲米生産データを発表し、今年の早稲米の総生産量は2729万トンで、昨年より3.9%増の102万8000トンの増産となり、7年続いた生産減を逆転させたと報じました。
しかし、江西省在住の匿名希望の農業研究者は、今年に入ってから中国全土で疫病や洪水災害、蝗害などが続出しているのに、どうやったら食糧が増産するというのかと疑問を呈しています。
江西省の農業研究者
「豊作の話など聞いたこともない。いずれにしても、政府からの情報にはソースは必要ない。誰も分からない。毎年増産しているというが、どうやって?土地の面積も減って、それから今年は災害が多発している。増産というが、統計(データ)は彼らが握っている。誰か理解できるか?政府が増産といえば増産しているのだ。すきに言わせておけばいい」
この農業研究者は、彼らは政府の公式データを信用したことはなく、自分で見たことしか信じないと話しています。例えば彼らは、「地元のある製粉所では以前は車が100台以上も列をなして小麦を届けていたが、今は一台の車も見かけない。このことが問題をよく表している」と言います。
農業研究者
「政府はこれまで本当の問題を認めたことがない。だから嘘を宣伝して真実を隠そうとする。今年が凶作なのは明らかなのに豊作だという。癖のようなものだ。政府で仕事をしているとどうしても避けられないことがある。例えば、私たちは次に何をすべきかということだ。これはありのままに、次にすべきことを伝えなければならない。凶作なのだから、人々は食糧を蓄えておく必要がある」
統計局が早稲米の増産を発表した同じ日に、中共当局は再度、食料不足に関する情報を伝えました。
国務院の胡春華副総理は19日のテレビ会議で、迅速に農民を組織して災害後の農業生産回復作業の強化と、ツマジロクサヨトウなどの病害虫駆除の強化を行い、台風や洪水、干ばつなどの気象災害に備え、「災害と戦って秋の収穫を勝ち取る」よう要求しました。
習近平国家主席が11日、フードロスを出すことを止めるよう要求すると、国家食糧・物資備蓄局は翌12日には、夏小麦の購入量が938万8000トン減少したと発表しました。これを受け、多くの人が中国の食糧危機について憂慮しています。
(中略)
食糧不足でも海外に穀物をばらまく中国政府
ツイッターアカウント名「紅朝末年観察」さんは、動画を通じて、中共はアフリカに3万トンの穀物を援助するとして8月18日に船積みの準備ができたと明かしました。アフリカへの援助のほかにも、「8月13日、内モンゴル政府がロシアに対し163トンの米を寄付することを決定し、ちょうど今満州里口岸からロシアに向けて船積みされるところだ」と中新網が報じています。
中国の独立研究者の戈壁東(か・へきとう)さんは、「これは毛沢東時代と同じだ。当時、中共の大躍進政策によって大飢饉が起き、数千万人の中国人が餓死したが、中共は飢えた国民から食糧を奪い、アジアやアフリカ、ラテンアメリカをサポートしてその国際共産主義を広めた」と話しています。戈壁東さんは中国の民衆に、「中共は庶民の生死など気にしない。食糧を備蓄し、貯えがあれば憂いなしということを覚えておいてほしい」と促しています。
【引用元】https://www.ntdtv.jp/2020/08/44782/
洪水被害が続く中国 四川や山東で甚大な被害
長江の「2020年第4号洪水」のピークが16日に三峡ダムを通過したばかりだが、18日には今年最大とされる第5号洪水が重慶市を通過し、市街地が浸水した。三峡ダムはさらなる水の流入に備えて、9つの水門から放水をはじめた。この他、山東省でも大雨によって、大きな被害が出ている。