米国、香港との犯罪人引き渡し条約など停止ー香港政府は猛反発

時事

米国国務省は19日、香港との犯罪人引き渡し条約を停止すると発表した。中国による香港国家安全維持法の施行を受けた対抗措置の一環で、このほか受刑者移送条約と、船舶の国際運航から得られる所得への課税を相互免除する合意も効力を停止するという。[1]

犯罪人引き渡し条約は国外に逃げた容疑者を引き渡す国際条約で、英国やオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ドイツがすでに停止に踏み切った。
余談だが、日本と中国の間では、2020年7月までに計6回の日中犯罪人引渡条約締結交渉の会合が開催されてきたが、2020年現在締結には至っていない[ウィキペディア:犯罪人引渡し条約]。

1997年に英国から中国へ返還されて以降、香港は通商と安全保障において米国との間で特別な地位を与えられてきた。ところが今年6月下旬、中国は国安法を施行し、国家分裂や政権転覆、テロ活動、また外国勢力と結託して国の安全を脅かす行為を犯罪と規定した。
米政府などは同法によって香港の自由な風土に萎縮効果が生じ、言論並びに報道の自由が著しく棄損されると批判。7月14日にはトランプ米大統領が、国安法施行を受ける形で、香港に対する通商上の優遇措置を廃止する大統領令に署名していた。[2]

【引用元】
[1]https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62831030Q0A820C2MM0000/
[2]https://www.cnn.co.jp/usa/35158425.html

香港政府は「断固反対」-米の犯罪人引き渡し条約停止など非難

【Bloomberg(2020年8月20日)】
香港政府報道官は20日、米政府が香港との犯罪人引き渡し条約の停止などを発表したことに断固反対するとともに、これを非難すると表明した。
報道官は声明で、犯罪人引き渡し条約の停止は犯罪者の法的制裁逃れを許すだけだと指摘。船舶の国際業務で生じる所得への課税免除を巡る相互措置の終了については二重課税にさらされるため、米企業を中心に影響を受ける輸送会社の運営コストが上がる可能性があるとした。
香港製品を中国製に分類するとの米方針を巡っては、世界貿易機関(WTO)を通じて対応するとあらためて説明した。

【引用元】https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-20/QFCIBCT1UM0Y01