中国古典舞踊の神韻公演…中国共産党による妨害続く 「コロナに感染」とでっちあげも=報告書

時事
2023年12月23日、神韻芸術団日本公演(名古屋国際会議場) (藤野偉/大紀元)

中国古典舞踊の世界最高峰である神韻芸術団は目下、日本ツアーを開催中だ。比類なき芸術の舞台が無事日本で披露されるまで、中国共産党による巧妙な妨害工作を排してきた経緯がある。

米国を拠点とする非営利団体「法輪大法情報センター」は1月8日付の報告書で、中国共産党は10年以上にわたって、神韻に対する世界的な妨害活動を行い、日本を含む37カ国で表現の自由を抑圧してきたと非難した。

神韻芸術団は、中国の伝統文化の復興を目的に、ニューヨークで2006年に設立された古典舞踊と音楽の芸術団。「中国の正統な伝統文化の真髄」を表現しているほか、法輪功学習者への迫害を描いた演目があるため、中国共産党は中国共産党の邪悪な本質と法輪功への迫害の真実が明らかになることを恐れ、神韻芸術団に対する嫌がらせや妨害工作などを続けている。

「外交妨害と偽情報: 中国共産党による神韻芸術団への世界的な妨害工作」と題した報告書には嫌がらせ、妨害工作、偽情報、物理的な攻撃など神韻を標的にした中国共産党による135件の妨害事例が記されている。

中国共産党の手口

報告書によると、中国共産党の神韻に対する妨害工作は、トップダウンの命令によって進められていた。中国の高級官僚は神韻の「海外での文化活動を抑制するためにあらゆる努力をする」よう命じ、下級治安当局は神韻に対しては「的を絞った取り締まりを実施する」よう指示を出していた。

その一例として、神韻が初めてイスラエル公演を2018年に行なった際の妨害工作を挙げた。中国大使館は劇場やイスラエル政府、イスラエル外務省、神韻の広告を掲載する広告会社に圧力をかけ、公演を中止させようと試みたが結局失敗に終わったという。

このような妨害は各国で起きており、日本も例外ではない。米国務省が発表した2020年次報告書では、神韻芸術団が日本公演を行なった際、在日中国大使館が劇場側などに対して圧力をかけ、公演を妨害したと批判した。

・米国務省報告書、中国当局による神韻日本公演への妨害を指摘(2020年6月18日)

また、2020年には中国名を名乗る人物が劇場へ電話や電子メールを送り、神韻の出演者は中国から来ており新型コロナに感染しているため、観劇客に健康上の脅威を与える可能性があるという偽情報まで流した。

報告書は、そのほか在米の神韻アーティストたちを狙ったサイバー攻撃、車両の破損、盗難も発生していると指摘した。

政府関係者への提言

こうした妨害工作に直面しながらも、2007年以降、神韻は目覚ましい成功を収めている。2023年シーズン中、神韻は5大陸の150以上の都市で公演を行い、音楽家、芸術家、議員、政府関係者、海外に居住する中国系の人々から称賛の声が寄せられ、100万人を超える人々に感動を与えている。

いっぽう、報告書はさらなる対策が必要だと強調する。米国務省は、神韻の公演を妨害する在米中国外交官に対して正式な通告を出すほか、米国外では、米国の高官や大使館員が、中国共産党の神韻に対する圧力に抵抗するよう、相手国に働きかけるべきだと付け加えた。

【引用記事】大紀元(2024年1月11日)