8月初旬の中国で、X(旧ツイッター)上にある文章が掲載され、多くの人の共感を呼んだ。その文章の題名は「巨变、即将随着中共对墙内民众认知战的溃败开始」という。
日本語に直すと「巨変は、中国共産党による壁の内側の民衆に対する認知戦の崩壊によって、今まさに始まろうとしている」となる。
この文章が公開され、多くの人の共感を呼んでいる理由は、「中国という国で生きることの大変さ」が、まさに民衆の慟哭や絶叫が聞こえるような実感をともなって表現されているからだという。
以下は、その内容の一部(和訳)である。
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このごろ、中国北部での洪水災害は、中国共産党が国民にもたらした苦難を浮き彫りにした。
壁の中(ネット規制されたファイヤーウォールに囲まれた中国国内)に生きる民衆は、あらゆる極限状況下での「生存能力」を求められている。
そのためには「天文」だけでなく「地理」や「人和」にも通じなければならない。つまり、よほど博識にならなければ、なぜ河北省の涿州に住むことが、こんなにも突然に、これほど危険になったのかが、さっぱり分からないだろう。
あなたは車が運転できるかもしれないが、それだけでは足りない。ボートも操縦でき、そのうえ水泳も得意でなければならないのだ。左手に老人を支え、右手に赤ん坊を抱いて、夜を徹して避難するだけの強靭な体力も必要だ。停電、断水、ネット遮断などの全ての困難を克服し、できるだけ標高の高い場所へ到達できるサバイバル能力がなければ、あなたは北京に近いこの涿州に「住む資格がない」のである。
「それは被災地に限った極端なケースだ」と言う人もいるだろう。では、これについては、どうだろうか。
普段の時から、ウィーチャット(微信)やウェイボー(微博)を使用する過程で「超」のつくほどの自己検閲力がなければ、あなたは「アカウントを一度も封鎖されたことがない」という「偉業」を成し遂げることはできない。
あなたがネットショッピングをする時、偽造品や粗悪品を買わされたくないならば、孫悟空が老君の炉で鍛えられた神通力である「化け物の正体を見抜く眼力」を備えていなければならない。
「食の安全」についても精通している必要がある。赤ちゃん用の粉ミルクを買う時は「産地」を、薬を買うときは「製造者の信用度」を徹底的に調査する。やむを得ず病院に行く時には、ムダに金をとる病院の「過剰医療」に警戒しなければならない。
あなたの胃腸は、どんな毒にも犯されない「強さ」をもたなければならない。その強さとは、おそろしく古い米や腐った肉にも耐えられる強靭さのことだ。前歯がついたネズミの頭を「アヒルの首」のように美味しく味わい、あらゆる食品添加物に耐えられるほどの「しぶとさ」がなければならない。
あなたは、あの朝令暮改する党中央との「一致ぶり」を保持するためには、政治的な「敏感度」も優れていなければならない。それと同時に「おまえは中国に潜伏する外国勢力のスパイだ」と疑われないために、あなたは「ぼくの政治への関心度はゼロですよ」というイメージを作り上げなければならないのだ。
さらに、超人的な精神力と頑健な体を持っていなければ、「35歳で失業」という過酷な環境のなかで生き延びることはできないだろう。
「996(朝9時から夜9時まで週6日働く)」の重労働に耐え抜き、そのうえ上司には忠実で従順、顧客の接待に身を削らなければ、あなたに突然襲いかかる「失業の危機」を回避できない。
投資リスクや金融、株の落とし穴にも精通していなければならない。預金を預けるにしても、口座が凍結されないような確かな銀行を選ぶ見識が必要だ。
前払いで買った「夢のマイホーム」が建設の途中で放置される「爛尾楼(ランウェイロウ)」にならないため、その確かさを分析する能力がなければ、あなたの生涯の貯金がパーになるかもしれない。
世間から同情を寄せられるような「被害者」になるには、あなたは完璧でなければならない。つまり「自分は正当であったが、これだけ被害を受けた」と証明できるほど完璧でなければならないのだ。
しかし、たとえどんなに完璧であったとしても、あなたが「被害者」になることは避けられない。中国共産党が支配するこの国で生きていくためには、あなたはもはや「超人(スーパーマン)」でなければならないからだ。
ともかく、この中国で生きていくのは、本当に容易なことではない。それでも「外国は危険すぎるから、この国から離れる勇気がない」という人もたくさんいる。
「何を謙遜するのか」と私は言いたい。あなたはこれまで、この中国で、見事に生き延びてきたではないか。地獄(中国)でも生存するだけの腕前があるのだから、あなたは地球上どこでも、幸せに生きられるよ。
外国が必ずしも天国であるとは限らないが、少なくとも今(中国)ほど地獄ではない。中国で最も難しいのは、真偽を見極めることだ。これさえできれば、あなたは、この地獄から抜け出せる道を、わりと簡単に見つけられるだろう。
内部の腐敗、枯渇した財政、安定維持部門(警察や公安)の非効率によって、中国共産党政権が支配してきたこの国家機構は、すでに弱体化してきている。粛清に次ぐ粛清は、習近平が孤立していることの証拠なのだ。
この、ぐらついて今にも崩壊しそうな政権は、現在のところ、プロパガンダや国民に対する絶え間ない認知戦によってかろうじて維持されている。しかしそれは、多くの検閲や世論誘導することで「偽りの世論」を作り出し、「我が党は、国民に支持されている」という見せかけの正当性を演出しているだけなのだ。
この中国では、宣伝も、数字も、実績も、称賛も、支持も、憎悪も、全てが「作られたもの」だ。
ここで一つ(中国共産党にとって)最も致命的な「真実」を教えよう。今の中国では「恐怖」さえも作られている。その「作られた恐怖」を巧みに利用することで、民衆に対して「中共は、いろいろ問題はあるけれども、やっぱり必要なのだ」と思わせてしまうのだ。
しかし、よく考えてほしい。何にしても自分しか頼れない、あの地獄のような絶望的な状況下でも生き延びられる人々に、本当に恐れる「恐怖」などあると思うか?
伝染病の予防も、生活や老後のことも、身の安全や財産の安全確保も、すべて自力に頼らざるを得ない。国家は、庶民を全く助けてはくれないからだ。そのような、あまりにも長い間「政府からの助け」がない状態で生き延びてきた中国人民が、この政権を放棄するのは、いとも簡単なことではないか。
その一方、中国共産党の体制内で働く人たちにとっては、自分たちが負わされる責任やリスクがどんどん割に合わなくなってきている。すでに中共の高官たちは、「現体制への忠誠」か、それとも「別の脱出口を探すか」ということを、他人に知らせず天秤にかけ始めていることは間違いない。
中国では、外交トップであった秦剛氏の「更迭」や軍内の粛清などが続く。今まさに、中央官界から低層の人民に至るまで、中国当局は「人々が許容できる限界」に挑戦し続けている。
しかし、それによって、中国人が積みあげてきた「民怨(民衆の怨み)」という巨大な火薬庫の導火線の火は、すでに最後の部分に達しようとしている。
「巨変(歴史の巨大な変化)」は壁の内側の人、つまり中国の民衆に対する「認知戦の崩壊」によって、今まさに始まろうとしている。
【引用記事】大紀元日本(2023年9月15日)
今は終末の時、私たちはどこへ向かっているのか?
新型コロナウイルスによるパンデミック、新たな疾病、戦争、異常気象、大気や水質の汚染、(人為的)大洪水など、人類への脅威に囲まれ、私たちは理解できない世界へと向かっているのかもしれない。ある意味、人類への脅威は、人類や社会に対する非常に良い警告、注意喚起であると分析する人々もいる。今が終末の時であるとすれば、私たちには脱出する方法があるのだろうか? 緊急避難指示ともいえる、法輪功創始者の李洪志氏の発表した文章(人類への啓発)に答えがあるようだ・・・。