中共は全人類を支配? 監視カメラ5億台とDNAデータベースで中国人の全てが把握される

時事

ニューヨーク・タイムズの調査チームが発表した報告書によって、中国が現在、世界最大規模の個人データ収集活動を行っていることが示された。これらのデータには顔認証、スマートフォンの追跡、DNA情報の収集などが含まれるほか、全面的な照合分析が行われて各個人の身元や社会的身分などが最大限に網羅されており、その目的は独裁統治の維持にあるとしている。

 

ニューヨーク・タイムズは6月22日に発表した調査報告の中で、中国共産党(中共)が現在、未曽有の規模で人々の個人データを収集しており、警察部門はスマートフォンの追跡や監視カメラの画像などから人々の生体認証を行って世界最大のDNAデータベースも構築していると指摘した。

またこの報道では、中共の最終目的は国が個人の身分、活動、社会関係などを最大限に把握し、政府による独裁統治を支えるシステムを設計することだと指摘している。

 

シドニー工科大学の中国問題専門家 馮崇義氏
「彼らは政治、経済、文化、情報のすべてや個人の生活もコントロールしようと考えている。そうしなければ安心できないのだ。ニューヨーク・タイムズの言い回しは適切ではない。彼らはずっと独裁統治はなぜ人をコントロールすることができるのか、なぜこんなことができるのかと言っている。何の不思議もない。それは彼らが、この政権の性質を深く認識していなかったからだ。だから不思議に思っているのだ」

 

報道によると、「中国では(市民の)DNAや虹彩(眼球の色がついている部分)、声紋が、犯罪の有無とは関係なく、無差別に収集されている」と指摘する。公安当局は、顔認識カメラに取り付けた録音機で声紋の採取を始めているといい、広東省中山市の入札書類には「カメラの周囲半径300フィート(約91メートル)以上の距離でも音声を録音できる機器が欲しい」と記されていた。その声紋をソフトウェアで解析してデータベースに追加し、顔認識と組み合わせることで、ターゲットをより早く特定できるようになるという。

報道によると、2017年頃、中共は新疆ウイグル自治区で初めての3000万人の虹彩データベースを構築し、それ以来、この虹彩データベース業者は、より大規模に虹彩データを収集するために、全国各地の政府と契約を結んだという。

さらに恐ろしいのは、中共警察はさらに幅広く、男性のDNAサンプルを収集している。なぜなら、Y染色体は遺伝時にほとんど変異しないため、警察がある男性のDNAデータを入手すると、それは同時にその家族の父系の複数世代のデータを入手したのと同じことになるからだ。実は、このような大規模なDNAデータベースは2014年に河南省に設置され、今年までに中国31省のうち、少なくとも25省がこのようなデータベースを構築したという。

スマホによる追跡、監視カメラによる顔認証

携帯電話は現代人に欠かせないものだが、同時に追跡の危険性がある強力なツールにもなっている。報道によると、中共公安は携帯電話の追跡装置を使用し、ある人のデジタル足跡と実際の身元、実際の居場所を結びつけることができ、少数民族の特定までもできる。これまでに、中国本土の31省・地域では、すべて携帯電話の追跡装置が使用されている。

 

また、報道によると、世界に約10億台ある監視カメラの半分(5億台)以上が中国にあり、中共警察が食事や旅行、買い物、娯楽などの公共場所だけでなく、住宅やカラオケ、ホテルなどのプライベート空間でも監視カメラを設置し、顔認証モニターを設置しているとのことだ。

中共自身の言葉を借りれば、ビデオ監視システムをバージョンアップする最終的な目的は「国民への管理とコントロールの実現」であるという。

 

また、2020年9月、米国の経済学者であるクリストファー・ボルディング氏が、中共が深セン振華データ会社を利用し、膨大な海外有名人の個人情報を収集していたことを暴露した。豪州のメディアは、この会社のデータベースには、多数の高レベルの政治家、皇族、宗教リーダー、及び軍関係者など含む、約240万人の外国人の情報が含まれており、全員がシリアル化されているという詳細を明らかにしている。トランプ元大統領の長女イヴァンカ・トランプ氏も標的の一人という。

健康コードが監視ツールに変わる?

中共は更に感染症対策を理由に「健康コード」を推進している。健康コードシステムはユーザーの感染リスクの有無を判断できるだけでなく、さらに警察側と情報共有できることも分かっている。ユーザーが個人情報へのアクセスを許可した途端、そのソフトウェアは「情報と位置を警察に通知」するプログラムを起動して、ユーザーの位置情報、都市名、識別コードをサーバーに送信する。つまり「健康コード」は情報を警察に送り、将来的には政府の監視ツールに変わる可能性があるという。

在米時事評論家 李林一氏
「この健康コードが民衆の健康のためのものだと思うなら、それもいいだろう。しかし、あなたのコードが理由もなく緑色から赤色コードに変わったとき、つまり彼らが安定維持のためにそうしたのだとしたら、あなたは驚くだろう。上海の都市封鎖と同じで、始まったときはみんな、ダイナミックゼロコロナは素晴らしいと思うのだ。これはみんなの命を守るためのものだ、すべての人を家に閉じ込めて外出させない。であれば民衆の健康を大きく守ってくれるだろうと。だが最終的には、そういうことではないのだと分かる」

 

感染症が拡大すると中共当局は民衆に、通行したければ「健康コード」を提示するよう要求した。現在、河南省では権利の保護を訴える民衆の健康コードの色が、陽性になった事実がないにもかかわらず、突然赤色に変わるケースが発生している。理由は、預金の引き出しをするために銀行に向かう人々を阻止するためで、当局が策を講じているためとみられている。

あるネットユーザーは、「健康コード」が情報コードに姿を変えた時、中国人一人一人が電子手錠を掛けられて、全方位から監視されることになるだろうと投稿している。

【引用記事】NTDジャパン https://www.ntdtv.jp/2022/07/57298/

【参考記事】中国に行く時、知っておきたい「どんな個人情報が狙われるのか」