中国共産党関連企業が所有する米国の有名ブランド企業

時事

日本における中国の「浸透」と聞くと、マスクや日用品や衣料品などに「中国製」の表示があったり、あるいは家電製品やスマホなど工業製品の中の部品が中国製だったり、想像以上に身近にあるかもしれない。最近は、日本企業への投資や国土の買収など日本が蝕まれている状況がSNSでも拡散されている。ここでは日本が参考にすべき「米国への浸透」について紹介している。

知られざる中国企業所有の米国企業

NTDジャパン(2021年8月25日)によると、中国共産党による米国への浸透と聞くと、実は多くの人が思っている以上に近くにあるかもしれないという。多くの人は闇取引や金、権力をイメージするか、あるいは映画に出てくるような強欲な政治家や特殊工作員を思い浮かべるかもしれない。しかし、中共の「浸透」は、テレビにも、食料品にも、そして皆さんがよく使用する製品や会社に潜んでいる。

米共和党マルコ・ルビオ上院議員
「今日、中国共産党は米国人が何を話し、何を聞き、何を読み、何を見るかについて、歴史上どの外国政府よりもコントロールしています」

一般の米国人の生活に対する中共の「浸透」は、秘密主義的な方法ではなく、公然と、合法的な企業買収や市場の拡大などによって行われている。

今回の特集では、中共政府と関係のある中国企業が所有する米国の有名ブランド企業を紹介。

まずはレジェンダリー・ピクチャーズ社だ。皆さんは「インセプション」「バットマン」「インターステラー」などの映画はご存じだろうか。

レジェンダリー社は、これらの大ヒット作品を手がけた映画制作会社で、これらの映画の中には、米国のスーパーヒーローを世に知らしめるきっかけになったものもある。

しかし2016年、レジェンダリー社は中国の大富豪、王健林氏が創業した不動産大手・万達集団(ワンダ・グループ)に買収された。

王氏は元軍人で、かつて雑誌「フォーブス」で中国一の大富豪にランキングされていた。

レジェンダリー社買収の際、16人の議員がこの取引への懸念を表明していた。議員らは取引を監督する政府機関に書簡を送り、王氏が中共の高官らと密接な関係にあることを説明した。
また、米国の大手エンターテイメント企業が買収されることは、「米メディアに対する外国のプロパガンダの影響」を助長する可能性があるとしていた。

王氏は当時、映画館チェーンであるAMCシアターズも買収していたが、当時の議員らの懸念は注目されなかった。買収後、レジェンダリー社が最初に製作した作品は、「グレートウォール」だった。主演は米国のスーパースター、マット・デイモン氏が務めた。デイモン氏のキャラクターは、映画の中で何度も中国軍に驚きの声を上げていた。そして最後には、中国が世界を怪物から救ったというものだ。

レジェンダリー社の買収は、ハリウッドに影響を与えようとする中共の試みの一例に過ぎない。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、毎年の最優秀作品に選ばた映画100本のうち、中国が出資したのは1997年から2013年までに12本、その後の5年間では41本に上っている。

そして、中国企業の出資には条件がついているようだ。

テッド・クルーズ上院議員 テキサス州
「『ドクター・ストレンジ』もコミック映画ですが、エンシェント・ワンのキャラクターを、コミックで描かれている「タイ・ベット(tie bet)」出身からケルト出身に変えています。理由は、中国共産党の検閲官がチベットを認めたくないからです。チベットは中共から迫害や抑圧を受けている地域の1つですが、ハリウッドはそれに従ったのです。『トップガン1』は、おそらく史上最高の海軍映画でした。そこでは、マーヴェリックのジャケットの背中に、台湾と日本の国旗が描かれています。中国(共)の検閲官はそれが気に入らなかったようです。それでハリウッドは、『トップガン』の続編でおとなしく国旗を外したのです。マーヴェリックが中国の共産主義者に怯えている時、世界に向けて何を主張しているのでしょうか」

次に紹介するライオットゲームズは人気ビデオゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」のメーカーだ。ライオットゲームズは、中国の大手ハイテク企業であるテンセントが2015年に買収し、中共と密接な関係を持つ企業という。テンセント社が開発したソーシャルメディアアプリ・ウィーチャット(微信)は、長い間中共の検閲に協力してきたことで知られている。

トロント大学の調査によると、同アプリの監視と検閲は、中国だけでなく世界中のユーザーを対象としていおり、特に、香港、チベット、法輪功、中国でのパンデミックの発生など、中共にとって敏感な話題について、ユーザーの発言を検閲している。

専門家は、中共がテンセントのゲームを利用して、中共の価値観を輸出できるのではないかと懸念しており、ある専門家は米CNBCに対し、ゲーマーは「善人」が中国人で、「悪人」が西洋人という観念を植え付けられるのではないかと語った。

テンセントは、ゲーム会社「Blizzard(ブリザード)」の株式も少数、保有している。2019年、Blizzard社は大会のライブストリーム中に香港の民主化デモ参加者を支援するスローガンを叫んだプレイヤーに1年間の大会出場禁止令を出した。また、そのプレイヤーが大会で獲得するはずだった賞金もすべて没収したという。

専門家「ゲームで遊ぶと中共に情報を盗まれる」テンセントは相次ぎゲーム企業を買収