米国務省は中国共産党の透明性を求めている=新型コロナウイルス発生源はどこ?

時事

米国務省は、新型コロナウイルスの発生源についてどう考えているのか?パンデミックは、独裁国家と民主国家の対応の違いを浮き彫りにしたのか?米中関係の将来の展望についてどう考えるのか?について、番組「アメリカの思想リーダー」(司会:ヤン・エキレック氏)の中で、米国務省報道官のモーガン・オータガス氏が語った。

オータガス氏:国務省として、新型コロナウイルスが武漢から発生したのは事実で、我々が訴えているのは、ウイルス源の調査と中国共産党の完全な透明性です。中国は、中国vs米国の構図にしたがるが、調査を求めているのは米国だけではなく、豪州、ドイツ、英国、EU外相も中国の意図を知らなさすぎたと言っています。世界は気づき始めており、中国政府に言いたいのは、「これは罵り合いではなく、報復合戦でもない。世界に大惨事をもたらし、人々が亡くなり、経済を破壊した。だから、パンデミックが二度と起こらないように、真相究明するだけです。」

司会者:ウイルスの発生源について国務省の見方が取りざたされていますが、
それについてお話しください。

オータガス氏:今はウイルスの発生源についての確証はありません。ポンぺオ長官が記者会見で指摘しましたが、中共は以前、ウイルス発生源は海鮮市場だと発表しました。本当は中国当局が、基礎データを信頼できる科学者に渡し、当局の主張を裏付けるべきだったのに、それをしなかった。ですから、海鮮市場が発生源なのか、信頼できる科学者がデータを検証するまでは誰もわからない。しかし、長官は武漢ラボに関する多くの状況証拠を見たと言っています。

この問題の本質がごちゃ混ぜになっていて、ラボから流出したのは自然ウイルスかもしれず、人工ウイルスとは限らないのです。不慮の流出事故は十分あります。
ですから、米国政府の使命は、志を同じくする独立した世界中の科学者にデータを渡し、検証することです。海鮮市場なのか、ラボなのか、または別の場所なのかすべては状況証拠ばかりで確証はありません。

司会者:一部のデータは破棄されたようです。海鮮市場も消毒されました。

オータガス氏:そのため仮説を検証できないのです。中共はただ信じろと言いますが、検証しなければ信じられません。

司会者:ポンぺオ長官は「説明責任」を求めていますが、何が違うのでしょうか?

オータガス氏:例えばWHOはこのたちの悪い感染症に対して、完璧な対応と判定が求められました。WHOは「データが必要だからください」と言えばいいのにできない。これが我々のフラストレーション(欲求不満)です。だから、WHOへの資金拠出を停止し、活動の見直しと改革を促しました。なぜなら、我々は真に多国的で独立した信頼のおける組織が必要だからです。

中国、北朝鮮、イラン、非合法なベネズエラ大統領のような独裁政府は、感染者数のみならず、死亡者数も大幅に過小報告しています。同一条件ではなく、そのため世界の感染予測ができません。

一方、民主社会は透明性があります。人々は常に政府の説明責任を問う。米国では毎日ですね。独裁政権と民主政権のパンデミックの対応の仕方に注目しています。透明性は自由でオープンな社会でこそ実現できます。また、我々は中国やイランなど独裁国家にいる人々にも、米国のような自由とオープンさを享受できることを願っています。

司会者:ポンぺオ長官は中国と中国共産党を区別して発言しています。なぜ彼は区別しているのですか?

オータガス氏:区別することは重要です。パンデミックの真の英雄は、中国の医師や科学者、ジャーナリストたちです。命をかけて警鐘を鳴らし、感染して亡くなった人や当局に拘束された人もいます。データの破棄を強要されたり、情報発信を止められたり、我々は彼らに感謝しています。特に早期に危険を冒して警鐘を鳴らした人たちに。中国人がもし自由でオープンな社会にいて、身の危険を気にすることなく、自由に議論できる環境にいたら、どれだけ優秀で創造的で独創的になれるでしょうか。

司会者:米国政府が中国の責任を問うのは国民の批判をかわすためだという意見についてどう思いますか?

オータガス氏:ポンぺオ長官側で働いてきましたが、彼は2月の時点で既に、中国政府は透明性に欠けると指摘しました。パンデミックの真相究明に必要なデータが不足していたからです。ポンぺオ長官の姿勢は一貫しています。

また、トランプ大統領は、米国全体での作戦を取っています。例えば、国境を守り、重要な製造拠点を米国に戻すなどです。安全保障に関わる製品のサプライチェーンも見直していますが、パンデミックによって、トランプ大統領の方針が正しかったことが証明されました。

米国は世界各国との互恵関係を望んでいます。公平な関係です。中国とは貿易だけでなく、パンデミックでも安全保障でも中国にいる米国外交官やジャーナリストに対しても同じ扱いを望んでいます。もちろん、米国と中国は戦略的競争関係です。それでもいいでしょう。競争しても協力できる分野もあります。しかし、我々は戦略的競争国ですから、平等なルールに則る互恵関係が必要です。我々が求めるのはそれだけです。

司会者:米国は感染症対策で9億ドルを国際社会に寄付すると言いました。なぜ米国に投じないのですか?

オータガス氏:過去20年間、米国は世界の公衆衛生に対して寛大でした。1400億ドル以上を拠出しました。世界の公衆衛生の枠組みは米国の納税者が多分に支払っています。他のどの国よりも。パンデミックに関するEU会議がありました。中国の代表もいましたが、まったくお金を出しません。これは確固とした事実で、米国は引き続き、どの国家よりも最も寛大な国家です。

しかし、トランプ政権はアメリカ人の税金を効果的に使いたい、賢明に使いたいのです。ですから、COVID-19対策に直接9億ドルを投じます。全世界の人々を助けたいから、敵国であっても我々は助けます。政府に問題があっても国民は別です。米国が先頭に立ってCOVID-19からの回復や公衆衛生と世界経済を導きます。

司会者:最後に何かおっしゃりたいことは?

オータガス氏:アジア・太平洋諸島の遺産月間について、米国の美点は移民の人たちです。彼らはここで起業して繁栄しています。国務省にとって大切な米国社会を織りなす人々です。また、アジア系移民の方々の米国社会に対する貢献や、早期に警鐘を鳴らした中国の医師や科学者たちを決して忘れません。彼らは危険を承知で世界に知らせようとしました。彼らの家族に、我々は決して彼らを忘れないと言いたいです。