米ラジオ・フリー・アジアは、中国南部広西チワン族自治区にある中国とベトナムの国境に10月20日、ベトナムに入国しようとする中国人技術者が約1000人集結したと報じた。中国当局は、技術者の海外流出を阻止するため、中越国境に高さ2メートル以上の壁を建設しているとのこと。
【大紀元2020年10月23日】米ラジオ・フリー・アジア(RFA)22日付によると、ツイッターユーザーの「紅朝末年観察(CCPEndObserver)」などが投稿した映像では、中越国境の関所である友誼関で、20日だけで中国人技術者900人余りが就労のためベトナムに入国した。技術者らは、ベトナムに生産拠点を置く中国企業と台湾企業に採用されたためだ。
中国実業家の陳さんはRFAに対して、ベトナムに工場を設置する中国企業が急増するにつれ、「経営者が技術部門の従業員に対して、ベトナムでの駐在を打診した。私の友人も含めて、ベトナムに行った人が多くなった」と述べた。
RFAは7月、広西チワン族自治区の住民20人余りがベトナムの日本企業で就労しようとして同国に不法入国したと伝えた。その後、ベトナム国境警備隊に拘束され、罰金を科された後に国外追放されたという。
中国人学者の司令氏は、海外移転する企業が増え、国内の労働力が余る状況が生じており、「この状況は今後、さらに悪化する恐れがある」と指摘した。
一方、中国人ネットユーザーの投稿によると、中国当局は中越国境に長さ、数百キロメートルの壁を建設している。壁は、中国人がベトナムへ密出国しないように作られたという。
陳さんは「ベトナムは近年、中国深セン市のように急速に発展している。ベトナム政府は、中国政府と比べて、より市場を開放している。このため、ベトナムで就職したい中国人が増えている」と話した。
ネットユーザーは「米国は、不法移民が入国しないよう国境に壁を作った。これに対し、中国が作った壁は、国民が外国に逃げるのを防ぐためだった」などと皮肉った。