中国富裕層向け「若返り血液医療」動画が拡散 当局関与のドナーバンクが存在か

人権

今年9月に北京で行われた軍事パレードで、中国共産党の党首・習近平がロシアのプーチン大統領に対し「臓器を取り換えれば150歳まで生きられる」と発言した映像が話題となったことを契機に、中国国内のインターネット上で、富裕層や権力者向けに若者の血液を用いた「若返り医療」が行われているとする動画が急速に拡散し、波紋を広げている。

11月14日には、X(旧Twitter)上に、富裕層向けとされる「血液交換医療」を宣伝する動画が投稿された。この動画では、17〜21歳の若者から採取した血液由来の微小カプセルを大量に用い、患者の血液を入れ替えることで、老化の進行を抑制できると説明されている。

特に強調されているのは、「複数の若者から抽出した機能性タンパク質を一人の体内に注入する」という「効果」だ。

動画内の関係者とされる人物は、「このビジネスは広告を出せない。主な顧客は富裕層や超富裕層だ」「若返りのためには、自分の血液をすべて若者の血液に入れ替える必要があり、一人分だけでは足りない」と語っている。

さらに、自身が中国のハイアール社とつながりがあり、数千億元規模の上場血液製品企業を買収、中共当局の技術認可も受けていると主張。「年末には『永生注射』、つまり不老を目的とした注射が登場する。これは国家チームが研究開発したもので、私たちのグループが数百億元を投じて技術特許を取得した」とも発言している。

最近では、中国の著名なインフルエンサーで、「虞美人国際集団」創業者である于文紅氏も、自身が若返りの血液交換を受ける様子を公開。同氏は「我々には血液バンクがあり、そこから若者の機能性タンパク質や微小カプセルを取り出している。一人の治療には本当に多くの人の血液が必要だ」と述べ、自社のサービスを公然と宣伝している。

こうした宣伝動画に対し、中共当局が管理するドナーバンクや大規模血液バンクの存在をめぐり、再び疑念の声が高まっている。

時事評論家の唐靖遠氏は、「もしこれが事実であれば、血液の供給源が大きな問題になる。合法的なルートで、これほど大量の血液を集めることは不可能だからだ」と指摘。専門家の間でも、当局が人体血液バンクやドナーバンクの整備に関与しているのではないかという疑念が強まっている。

ネット上では、「若者の血液を使った若返りビジネスの拡大が、中国国内で血液バンク不足が頻発する原因の一つとなっているのではないか」「大学生への献血強制や、青少年の失踪件数の多さとも関係しているのでは」との声も上がっている。

国際NGO「法輪功迫害追跡国際組織(WTOIFG)」の汪志遠代表は、「習近平氏は、150歳まで生きる方法と技術がすでにあると話している。そうなると、血液交換による若返りも決して特別なことではなくなるだろう」との見方を示した。

 

 

【引用記事】大紀元(2025年11月17日)