中共の洗脳教育への強化 小中高校に新しい副校長ポストを設置

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中国教育部(省)は17日の記者会見で、思想教育強化の一環として、5月1日から国内の小中高校に法治教育担当の副校長ポストを新たに設置し、「習近平法治思想の学習および宣伝を推進していく」と発表したが、子どもに洗脳教育を行うためであると非難されている。

 

大紀元によると、教育部は昨年末、「小中学校(高校も含む)の法治副校長の採用および管理に関する弁法」を公布した。同措置は、小中高校の法治副校長は、裁判所、検察、警察、他の司法行政部門から推薦され、教育行政部門または学校側によって採用される者であると規定した。5月1日から全国で実施される。教育部は今後、全国すべての小中高校に法治副校長を少なくとも1名置かなければならないとした。

教育部は、法治副校長の主な役割は、「習近平法治思想の学習および宣伝の推進、法治教育の強化、学生らの権益保護への支援、未成年者の非行防止」を含む6つとした。教育部の報道官によると、昨年末までに、裁判官1万3801人がすでに1万5332校の副校長を兼任している。

北京市に住む法学者の王氏は、大紀元の取材に対して「教育部が小中高校に法治副校長を設ける目的は、子どもに洗脳教育を行うためである」と非難した。

特に同措置で、法治副校長の主な役割は「習近平法治思想」を植え付けることと強調したのに対し、王氏は「このやり方は完全に、毛沢東時代や文化大革命時代のやり方だ。子どもたちを共産党政権の奴隷にするためである。そもそも、中国共産党政権には、法の支配という普遍的な価値観がないのだ」と述べた。

中国指導部は2020年11月、「習近平法治思想」を提唱し始めた。同思想は「法による治国では党の全面的な指導を堅持する」「中国の特色ある社会主義的法治の道を堅持する」「中国の特色ある社会主義的法治システムの建設を堅持する」など11の主張を唱える。

その一方で、中国当局はこれまで社会的弱者への支援に取り組んできた弁護士を恣意に拘束・投獄し、弁護士資格をはく奪してきた。在中国アメリカ大使館は15日、ツイッター上で中国当局に対して、当局に拘束されている弁護士の許志永氏や丁家喜氏らの解放を呼びかけた。投稿は、「世界人権宣言」に署名した中国当局に直ちに人権弁護士への抑圧を停止するよう求めた。

王氏は、教育部が習近平法治思想の推進を明言したのは、「明らかに習近平国家主席の機嫌を取ろうとしている」と指摘した。

湖南省の人権活動家、陳思明氏は、教育現場に「法治副校長」を設ける狙いは、「習近平氏への個人崇拝を推し進め、さらに共産党政権を延命するために児童生徒に思想改造を行うという、この2つの目的しかない」とした。

 

中共は、学校で学生たちに、共産党一党独裁維持のための「やってはいけない」ことについて教える。一貫して、授業に政治と共産党史の科目が設けられており、統一教材を使用している。教師らは教材に書いていることを信じてはいないが、「紀律」があるので、心ならずも嘘の話をせざるを得ない。

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生徒たちも教科書及び先生の話を全部は信じておらず、試験のために丸暗記をしなければならない。中学・高校・大学の試験には、法輪功を批判する内容が実際出題されており、模範解答を出さなければ、高い点数を得ることができないばかりか、真実を答えたら学籍を奪われ、進学の資格も取り消される。

中共の最も威力のある統治手段は、組織を使って人々に奴隷の思想を植え付けることだ。人を洗脳することで共産党と同じことを思い、同じ話題で話し、共産党の思うままに操られる。

1999年、法輪功弾圧から1ヶ月の間、テレビ・ラジオがゴールデンタイムに、全国民に対する洗脳番組を繰り返した。その後、江沢民があらゆるメディアを利用して、法輪功学習者の「自殺」と「殺人」などをでっち上げた。その中、「天安門焼身自殺事件」は、国連教育発展組織に「政府が起こした公然詐欺」と断定された。

22年も続いている全世界を巻き込んだ法輪功に対する残虐な迫害は続いており、真相を知らない人々は騙されている。

【引用記事】https://www.epochtimes.jp/p/2022/02/87029.html