中共はタリバンより悪辣! チベットでの文化・教育の破壊と洗脳強制

人権
2013年4月、四川省カンゼチベット族自治州で、仏教学府に通うチベット尼僧(PETER PARKS/AFP/Getty Images)

チベットに対する中国共産党(中共)の弾圧も激しさを増している。信仰を集める巨大仏像の破壊だけでなく、人々の精神も破壊している。修道院を取り壊し強制収容所のような学校を建てては子供たちを洗脳している。再教育施設では、チベット仏教の尼僧たちが看守や共産党員による性的虐待を受けているという。「中共はタリバンより遥かに悪辣だ」

巨大仏像の破壊を最後まで見るように強制

中国四川省当局は最近、甘孜(カンゼ)・チベット自治区にある高さ99フィート(約30メートル)の佛像を取り壊し、さらに、チベット僧侶たちと周辺の住民に仏像を取り壊す過程を最後まで見るように強制したという。チベット亡命政府の台湾代表ケルサン・ギャルツェン氏は、中国共産党(中共)は仏像そのものを破壊しただけでなく、人間の精神まで破壊している。この赤裸々な行為はタリバンよりも悪辣(あくらつ)であると批判した。

米国営放送ラジオ・フリー・アジア(RFA)の1月4日の報道では、カンゼ・チベット族自治州の巨大仏像の解体工事は2021年12月12日から9日間続き、多くの武装警官が配置された。解体された理由は、「高すぎる」と中共から苦情があったからだという。この大きな佛像以外にも当局は、チベット巡礼者や他の信者が使用していた45の伝統的なマニ車を取り壊したもよう。「現場には住民による写真撮影やビデオ撮りを禁止し、暴動が引き起されないようにたくさんの武装警察が配備されていた」とインドチベット人の言葉を引用した。

ケルサン・ギャルツェン氏は大紀元に対して、地元の人々がこの佛像を建てたのは炉霍(タンゴ)県と道孚(タウ)県地域はとても大きな地震帯で、チベット信仰からこのような大きな仏像を建てることで、地震の再発を防ぐことができると信じていたと説明した。当時は政府の正式な手続きをもって申請を行い、2015年に承認された。その後、チベットの人々が自ら資金を調達して建てた仏像である。

ギャルツェン氏は次のように語った。

「中共は、近くの僧侶やチベット人を呼び付けて、彼らがこれまで自分たちの命よりも大切にしてきた仏像が解体されていく過程を最後まで見るように強制しました」

「このやり方は文化大革命を超えており、つまり、これが現在の中共です!当局がチベットを統治するための新しい戦略であり、非常に顕著な現れの一つです」

「以前は国際社会の反応を恐れて、壊すにしてもこっそりとやっていました。しかし、今は仏像そのものを破壊するだけでなく、人々の精神まで破壊しています。人々にその解体の過程を強制的に見させ、これはどれほどの精神的な抑圧であったか計り知れません」

「中共のこの赤裸々な行為は、タリバンが仏像を破壊した時よりも遥かに悪辣です!」

 

中共は、修道院を取り壊して私立学校を建てた

ギャルツェン氏は、中共は長年にわたってチベットの宗教と文化を、いわゆる過激派の宗教と文化として排除してきたと説明。この目的のために、彼らはチベットを統治するといういわゆる中華民族共同体という政策を打ち出した。この政策の下で彼らは、全ての学校に対して技術学校の形を取らせ、まるで強制収容所のように管理した。子供たちは幼い頃から家族と離れて、学校の中で中国語教育を受けさせられている。チベット語と文化を教えるために修道院が建てた多くの学校が取り壊された。

彼は「中共は依然として、佛教事業の登録と地方管理を通じて、チベットの宗教を支配しています。いわゆる地方管理とは、修道院同士の交流と学習を断ち切ることです。同時に、チベットの若者が修道院に入ることを厳しく制限しています。なぜなら、修道院はチベット人にとって学校のような存在であり、これを制限することは、つまり若者は中国語の教育を受けるために学校に行かざるを得なくなることを意味するのです。これは本質的に露骨な民族同化です」と語った。

「チベットページ」の報道によると、炉霍県当局は2021年10月上旬に発令して、寿霊寺支部にあたる格登仏教学校に対して、2021年10月31日から3日以内に学校の教育棟と寄宿舎を解体するよう要求し、従わない場合は警察が現地入りして解体作業をし、学校の設備と財産は没収すると脅迫した。その後、学校の経営者は地元のチベット人の手を借りて、学校の一部の建物と寄宿舎を取り壊した。

以前、この学校には約130人の生徒がいて、学校ではチベット伝統教育と現代教育の両方を教えていた。チベット語、中国語、英語、文法コースを含めて、佛教哲学コースもあったという。

中共は、チベット仏教学院を中国共産党幹部育成訓練校にした

ギャルツェン氏はまた、中共がいわゆるチベット仏教学院(活仏学院)を設立しているが、それはまるで中国共産党幹部育成訓練校のようなもので、実際のところ、チベット僧侶を育成するのが目的ではないと指摘した。中共は『寺院には9つのものがあるべきだ』としており、それは、中共指導者の肖像画、中共の新聞や雑誌、中共のニュースメディアなどを指している。

「人々が仏を拝む時に中共指導者をも拝むことになります。このようなことは、以前チベット自治区でのみ行われていましたが、今はすべてのチベット地域で実施するようになりました。目的は明らかにチベット僧侶を育成するためのものではありません。」 とギャルツェン氏。

ギャルツェン氏は、これらはチベットの宗教、言語、文化、民族のアイデンティティを絶滅させるための政策であると指摘し、「我々は国際社会がウイグルや香港への関心と同じように法輪功、チベット、そしてその他の宗教に対しても関心を持って中共政権を強く譴責すべきです」と強調した。

さらに、中共国家宗教事務局は、2021年12月20日に「インターネット上の宗教情報サービス管理規程」を発表し、いかなる組織や個人であろうともインターネット上で宣教活動、宗教儀式での教育訓練、経文の転送と拡散、宗教活動などをやってはならず、宗教儀式などの生中継や録画などもやってはいけないと規定した。

ギャルツェン氏は、これらの動向により中国は完全に閉鎖された状態に戻ったと懸念を示し、国際社会はこれらのことに注目してほしいと強調した。

【引用元】https://www.epochtimes.com/gb/22/1/8/n13490309.htm