国際的に著名な豪州の元臓器移植医ストロング教授が、大学や病院は中国人外科医を追放すべきとの認識を示した。中国人外科医は、中国共産党(中共)政権の 「オンデマンド(注文)殺人」方式の下、臓器を摘出するために、大学で学んだ技術などを利用していると言う。
最も注目すべきは、中共政権の弾圧対象となっている法輪功学習者、ウイグル人、チベット人などが臓器の供給源となって殺されており、中国で年間6万~10万件の臓器移植が行われ、1兆円規模の産業にまで膨れ上がっているということだ。
【NTDジャパン(2021年11月3日)】
10月24日のデイリー・メールの独占記事によると、国際的に著名な豪州の元臓器移植医ラッセル・ストロング(Russell Strong )教授は、欧米諸国にいる中国人医学研修生の多くが帰国後、臓器売買について描かれているNetflixの世界的ヒット作品「イカゲーム」の現実版に参加していると警告している。
ラッセル・ストロング教授は、ブリスベンのプリンセス・アレキサンドラ病院で先駆的な移植プログラムを立ち上げた後、1980年代後半から中共による人権侵害の問題に気づき、注視してきた。ストロング教授は、1985年に豪州で肝臓移植に初めて成功し、その後、中国本土をはじめとして、世界各国から医学研修の申請が殺到した。
しかし、ストロング教授はすでに、中共が死刑囚や政治反体制派を対象とした臓器バンクの噂を耳にしていたため、中国人申請者に対し、「死刑囚を臓器供給源として扱わない」と記載された署名付きの申請書を提出するよう要求した。
これについて、ストロング教授はデイリー・メールに対し「彼らからの返事は全くなかった」と語っている。
ストロング教授は、中国人申請者を拒否したのは人種差別ではないとし、囚人を臓器供給源として扱うのは、倫理観の欠如が甚だしいと思っただけだと述べた。
国連の人権専門家らは今年6月、中国共産党は現在、法輪功学習者をはじめ、ウイグル人、チベット人、イスラム教徒、キリスト教徒など、抑圧されているマイノリティを対象とした臓器収奪を行っていると報告している。
また、カナダの人権派弁護士らの推計によると、臓器移植は毎年6万~10万件行われており、1兆円規模の産業に膨れ上がったという。
一方、中共政権は、取り挙げられている数多くの証拠には目をそむけ、「非難は捏造で、名誉毀損である」と主張している。
ストロング教授は、「病院や大学は、移植外科医だけでなく、中国からあらゆる外科医の受け入れ及び訓練をやめるべきだ。なぜなら、中国人医師たちは何が起きているかを知っており、ある意味でこれは全てを隠蔽しているからだ」と述べている。
マッコーリー大学医学倫理学のウェンディ・ロジャース(Wendy Rogers)教授は、2007年に豪州の倫理的な臓器提供制度のガイドラインの作成に携わった。
ロジャース教授は、「共産主義中国の悪しき慣習を制止する上で、大学は大きな役割を担っているが、十分な対応がなされていない」と懸念を示している。