トランプ大統領は11月9日、エスパー国防長官を解任し、その職責を国家テロ対策センターのミラー氏に代行させると発表した。エスパー氏は「反乱法」を適用して暴動の鎮圧に連邦軍を投入することを拒否していた。ミラー氏の代行で、極左組織による破壊行為を積極的に取り締まることを意図しているのかもしれない。
米国防長官の突然の解任
NTDジャパン(2020年11月11日)によると、 トランプ大統領は11月9日、大統領選挙後の最初の大きな人事調整を行い、マーク・エスパー国防長官を解任し、その職責を国家テロ対策センターのクリストファー・ミラー氏に代行させると発表した。
エスパー氏は多くの点でトランプ大統領と意見が異なっていたが、最も大きな違いは今年6月に左派による大規模な暴動が全米各地で起きた時に、エスパー氏が「反乱法」を適用して暴動の鎮圧に連邦軍を投入することを拒否した点だ。
2020年6月3日のエスパー国防長官
「我々は現役部隊をオプションとして使うことは、法を執行する役割を担うものとしては最終手段であり、最も緊急で最も恐るべき状況でしか行えないと考えている。だが今我々はそのような状況にはない」
元米国陸軍のショーン・リン(Sean Lin)氏は、トランプ大統領はテロ対策の強いバックグラウンドを持つミラー氏に国防長官を代行させることによって、極左組織の破壊行為を積極的に取り締まることを意図していると指摘している。
元米国陸軍の林暁旭(Sean Lin)氏
「新たに任命される国防長官(代行)のクリストファー・ミラー氏は過去にテロ対策の経験がある。テロ対策の見地から、米国国内で現在発生しているこれらの極左勢力による暴力による社会のかく乱を阻止しようとしている。私はこうした手法は法的にもスムーズに進むうえ、素早く対処できると考えている」
米国の研究者、方偉(ほう・い)氏は、トランプ大統領の最新の人事調整は、1807年の「反乱法(Insurrection Act)」を適用する準備ではないかと考えている。この法律を適用すると、現在存在する大規模な不正選挙疑惑に対応することができるためだ。
米国在住の研究者、方偉氏
「この事件が事実だった場合だが、ある党が彼らの『党の機器』を使って各州の選挙管理スタッフと一緒になって、あるいは米国郵便公社と一緒になって、大規模な票を作って米国の民主制度を転覆させようとしているのなら、これは何を意味しているのか。この事柄について、1807年に成立した反乱法を適用できるのは間違いない」
反乱法第333条には、国内で法律の執行が暴力、陰謀によって阻止され、人民の権利がはく奪された場合、大統領はその法律の執行のために米軍を動員してもよいと規定されている。
米国在住の研究者、方偉氏
「米国の法律の執行の保証の中には選挙法の執行も含まれている。私は個人的には、今の時期にエスパー国防長官を解任したのは、トランプ大統領が「反乱法」の執行の可能性を考えているからだと考えている。彼はこのことのために道筋をつける必要がある」
この非常に敏感な時期に、トランプ大統領がさらなる人事異動を行うかどうかについても注目が集まりそうだ。