洪水は中国人に真の敵は誰なのかを認識させた

時事

最近、『祖国よ、ご安心ください。もし戦争になったら、銃を渡してください。本当の敵を一人も逃がしません!』」というフレーズが話題になっている。中国人であれば、「真の敵 」が”中国共産党政権”を意味することだと誰もが理解できるという。

北京市全域は7月29日、最高レベルの「赤色(豪雨)警報」が発表され、大洪水が発生した。7月31日、北京の大興空港の滑走路や天安門広場が水没した。8月1日、当局は北京を守るため、ダムの水を放水し、河北省など周辺の農村地区を水没させた。

 

「今、庭を片付けていますがこの辺りだけが終わっていて、まだやることがたくさん残っています。もし、放水するようなことが起こった時、誰かが知らせてくれたら、ここまで被害を被ることはないでしょう。2日前にネットで見た話を思い出します。『祖国よ、ご安心ください。もし戦争になったら、銃を渡してください。本当の敵を一人も逃がしません!』」

中国人が言う真の敵とは台湾人? それとも米国人?

彼らの意味深(いみしん)な表情を見ると、彼らがあえて公然と口にしない共産党政権のことを指しており、これを聞いた中国人の誰もがその意味が理解できるという。

2023年7月末に、中国北部で悲惨な洪水が発生した。しかし、河北省の公式な発表では死者数はわずか29人。少なくとも10万人いるという民間の予測をはるかに下回っている。これは被災した人の親族のほとんどが、政府からの補助金を全く受け取れないということだ。

一方、災害から生き延びた人々は不確かな未来に直面している。

この動画は、河北省涿州市の洪水被害者に焦点を当てている。涿州市は小さな都市で町全体が水深12mまで浸水した。いわゆる首都北京と雄安新区を守るために、町の将来を犠牲にした。人々は基本的な生存の問題に直面しており、市の経済の回復は程遠いという。

洪水の後、町は荒廃し道路は泥と瓦礫に覆われ、空気は悪臭に満ち、農作物は壊滅し、収穫できる穀物はなくなった。

涿州市の被災者たちは家や店舗の後片付けに追われているが、洪水による甚大な損失は多くの人々にとって耐え難いものだ。

「私の父が北京で洪水対策に参加していた時、この地域は最初に洪水に見舞われました。父は退役軍人で、村人たちに頼まれて北京へ行ったのですが、出かけたら、家に帰れなくなるなんて思わなかったでしょう。父が戻ってきた時、家はひどい状態になっていました」

涿州市のある女性貿易商はあまりにも多くの損失を被り、もう生きているのが嫌だと語った。「大きな損失です。少なくとも数百万元(約数千万円)の損失です。倉庫も水に浸かりました。私の会社は大きくはないのですが、ローンを抱えています。また車のローン、家の
ローン、その他もろもろの出費を抱えているので、今こんな災難に見舞われ、もう生きていたくありません」

涿州市は重要な書籍保管基地であり、予期せぬ洪水で書店はほぼ全滅した。中国図書館網では25年間の書籍が、壊滅的な洪水で、書籍の80%が浸水し、在庫は全てなくなり、損失額は3億元(約60億円)以上に達した。

涿州市の農業も大きな損失を被った。

周という名前の農家の男性はヤギと鶏を飼っている。今、彼は泥だらけの自宅に戻り、溺死したヤギを片付けている。以前は1500頭以上のヤギを飼っていたが、今は30頭も残っていないという。「もう希望はない」と彼は悄然としている。「私の心境について何が言えるだろうか。もう何も感じない。今は何の感情もない。ただ死にたい」。

ある養殖業者によれば、200万匹以上の魚が死んで、損失は8億元に上るという。

ある養豚農家は100頭以上の豚が死んだか流されたかで、すべて終わったと言い、彼の家の庭は豚の死骸でいっぱいだという。

麓(ふもと)の農民たちにとって、洪水は壊滅的な被害をもたらした。

洪水が襲ってきたとき、被災者たちは家が水に飲み込まれていくのをただ眺めるしかなかった。洪水が引いた後、ヘドロの山を自力で解決するしかなかった。家も愛する家族も失った被災者たちが、食べるものもなく、路上に寝泊まりする中、北戴河での休暇から戻った中国共産党の上層部は、会議を開き、いわゆる「洪水救援の大勝利」を発表した。

一つは国営テレビ放送の中国の様子であり、もう一つは人民の携帯電話の中国の様子だ。
被災者の携帯電話からは、被災地に当局が自分たちのことを気にもせず、義援金も受け取れず、親切な知人からの少しの援助をしてもらい、かろうじて生活していることなどが訴えられている。

「ありがとう!この善良な人々に感謝します。今、政府は私たちのことなど気にもかけていません。心温かい人たちだけが私たちを助けてくれています。私たちの家はなくなりました。私たちは路頭に迷い、心温かい人たちが私たちを助けてくれています。物資を寄付してくれた心温かい人々に感謝します」

想像してみてください。もし中国人が武器を持っていたなら、どうするのかを・・・

【引用記事】看中国(2023年9月3日)

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