ポンペオ米国務長官は10月14日、米国提唱の「クリーンネットワーク」計画に約40以上の国と50の通信企業が参加したと明らかにした。日本のNTT、楽天、KDDI、ソフトバンク、NEC、富士通を「5Gクリーンコミュニケーションズ会社」に認定。一方、日本政府が現時点では参加を見送る方針を米側に伝えたことが15日、複数の政府関係者の話でわかった。
ポンペオ長官、中国企業排除のクリーンネットワークに「40カ国以上参加」
大紀元(2020年10月17日)によると、ポンペオ米国務長官は10月14日の記者会見で、米国提唱の「クリーンネットワーク」プログラムに、約40以上の国と50の通信企業が参加したと明らかにした。
クリーンネットワーク計画は、国民のプライバシーや企業の知的財産権などを保護する目的で、次世代通信網(5G)、クラウドサービス、スマートフォンアプリ、電気通信事業者、海底ケーブルの5つの分野で、中国共産党の影響を受ける中国IT企業を排除する取り組みだ。今年8月、ポンペオ長官が初めて公表した。
長官は14日、40カ国のうちの25カ国は欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の国々だと示し、わずか2カ月の間に5G網に関する国際情勢が大きく変わったと述べた。
ポンペオ長官をはじめとする米高官はここ数カ月、欧州などを頻繁に訪問し、世界各国に「クリーンネットワーク」プログラムへの参加を促し、ファーウェイなどの中国企業が提供する通信機器や技術を自国の5G網構築に利用しないよう提言してきた。
国務省はすでに日本のNTT、楽天、KDDI、ソフトバンク、NEC、富士通を「5Gクリーンコミュニケーションズ会社」に認定した。国務省ウェイブサイトで掲載されている各社の社長らのコメントは、今後も「信頼できる」事業パートナーを選び、米のクリーンネットワーク計画に協力すると示した。また、国務省によると、茂木敏充外務大臣はサイバーセキュリティにおける米国との協力を深めるために、外交施設の安全な通信を確保するための5Gクリーンパス・イニシアチブの基本概念を支持していると述べた。
通信5分野で米の中国企業排除策、参加見送り…安保懸念に独自対処
日本の企業が「5Gクリーンコミュニケーションズ会社」に認定されたが、読売新聞電子版(2020年10月16日)によると、通信分野などのネットワークから中国企業を排除するトランプ米政権の計画について、日本政府が現時点では参加を見送る方針を米側に伝えたことが15日、複数の政府関係者の話でわかった。安全保障上の懸念がある場合には、米と連携しつつ、日本として対策を取っていく方針という。
今月6日に都内で開かれた茂木外相とポンペオ米国務長官との会談では、ポンペオ氏が同計画に触れ、茂木氏は、次世代通信規格「5G」事業で協調する姿勢を示した。ただ、交渉過程で、日本側は「特定の国を排除する枠組みには参加できない」などと述べ、現計画への参加は困難で、計画が修正されれば再検討するという日本の立場を伝えたという。
日本政府は既に5G事業では、名指しをしない形で中国通信機器大手「華為技術」(ファーウェイ)を事実上排除する運用を始めており、他の分野でも5G同様、安保上の懸念が生じないように対処していく考えも説明した。